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北海道建設新聞社
2023/11/22

【北海道】ANICが23−36年度累計ラピダス効果を18.8兆円と試算

 北海道経済連合会などでつくる北海道新産業創造機構(ANIC)は21日、次世代半導体製造を目指すラピダス(本社・東京)の進出が道内経済にもたらす経済効果の試算を発表した。工場2棟体制の場合、2023年度から36年度までの14年間累計で18兆8000億円を予想。道内総生産に対し合計11兆2000億円の上乗せ効果があるとした。
 2種類のシナリオで試算した。1つ目が、現在建設中の工場「IIM−1」で計画通り27年度に量産が始まり、半導体の前工程・後工程を手掛けるケース。2つ目として、第2工場「IIM−2」が加わって30年度に量産を始めるケースを想定した。両工場とも月産最大2万枚とした。
 対象期間は建設が始まった本年度を起点に、量産開始10年目となる36年度までと設定。工場1棟の場合、10年間の半導体生産によって5兆8000億円の効果が生じる。設備投資はラピダス分で4兆2000億円、周辺に立地する関連産業分で851億円に上る。2棟体制なら生産効果は10兆円。設備投資はラピダス8兆5000億円、関連産業2980億円に膨らむ。
 1棟のみのシナリオでは、設備などの道内調達率を15%、製品販売先の道内率ゼロ、関連事業所の新規立地数を20カ所とした。2棟では調達30%、販売5%、関連事業所70カ所に増やしている。
 従業員数は1棟の場合、関連産業を含めて1600人、2棟だと3600人とし、それぞれ7割が新たな住宅を要すると想定。住宅投資は1棟の場合356億円、2棟だと806億円発生する。
 1棟でも波及効果の総額は10兆1000億円、道内総生産へのプラスの影響は6兆1000億円となる。本道の総生産は例年20兆円前後で推移していて、単純計算なら1年当たり2%台の上乗せとなる。
 ANIC理事長の藤井裕北海道経済連合会長は「これまでにない大きな波及効果が予想される。北海道にとって千載一遇のチャンスを生かせるよう尽力したい」と話した。