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日本工業経済新聞社(群馬)
2023/11/29

【群馬】県アンケート結果を公表す 現場従事者3割不足


群馬県機械設備工業会は、人員・採用や残業上限規制などについて、会員を対象に行ったアンケート結果を公表した。7〜8割の会員が技能者(配管・冷媒工など)や現場管理者・代理人が3割以上不足していると指摘。こうした人員不足の中、2024年4月から実施される時間外労働の上限規制への対応について、会員の多くは「十分な対応が可能か不透明」「実情に合わず規制の撤回・延期を求める」といった不安を感じていることが明らかになった。(4〜5面にアンケート結果詳細を掲載)
同工業会は建設業許可区分において、管工事の許可を有する設備工事業者で構成されている。会員は◇衛生設備=給水、給湯、排水などの設備◇空調設備=冷暖房、換気、排煙などの設備◇冷凍空調設備◇プラント設備−−などの設置工事を手掛けている。
管工事は現場に人を立ち入りさせない状況での作業となるため、休日に仕事を行うことが多い。メンテナンス作業においては24時間体制をとらなければならない。このため、土日に定期的な休みを取得することが困難な状況となっていることも影響し、新規採用、中途採用共に人員確保が難しいといった課題がある。
また、管工事の仕事は建築工事における工期の最終段階に最盛期を迎える。このため、短期間で水道や空調の試運転調整と仕上げ工事を完了させなければならないため、集中的に人員を投入せざるを得ない状況にあることから、会員の多くが時間外労働の上限規制運用に不安を抱えている。
コメントでは、現状における人員体制の不足について「技能実習生や特定技能外国人で頭数のみ補っている」「社員、外注先とも不足感は常態化している」と指摘。新規採用・中途採用においては「大学を卒業する新卒採用は困難な状況」「直近での採用は外国人材か既存社員の紹介のみ」「求人について有効な手段を打ち出せない限り、現状を変えるのは難しい」と人材確保が課題となっている状況が浮き彫りとなった。
残業上限規制に「対応中・対応済み」「対応する予定(未定・検討中含む)」と回答した会員企業を対象とした対応策についての設問では、出退勤管理等で残業を減らすことで対応すると回答した会員が最も多かった。一方で、元請け工事は自社で工期や休日の調整ができるが、下請け工事では元請け企業の方針で大きく左右されてしまうのが実態といった対応に否定的なコメントも上がった。
このほか、会員からは業界全体で賃金を最低でも1・5〜2倍上げないと、若い人は建設業界に入ってこない、などのコメントも寄せられた。
和田弘理事長は「管工事の仕事は施工範囲の広い業種であるため、管工事業者が抱えている課題や問題など理解してもらえていない状況。当工業会が中心となって管工事業者が抱える課題や問題などの解決に向け積極的に広報活動も含め行っていきたい」と意欲を示した。