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建設新聞社(長崎)
2023/12/01

【長崎】長崎大学 医歯薬学系総合研究棟を整備

来年度にPFI事業実施方針公表へ

坂本キャンパスの位置図
 長崎大学は、医学部のある坂本キャンパス(長崎市坂本1丁目12ノ4)に保健医療系の学部を集約し、学部横断共修の演習・実習や研究の活性化と、人材育成・研究の促進を目指しており、その拠点となる総合研究棟(医歯薬学系)の新築を計画している。PFI法に基づく施設の整備・運営を想定しており、本年度行った調査で、導入の可能性があると評価されたことから、来年度のPFIアドバイザリー業務の実施に向け予算要求を行っている。


 医歯薬学系の総合研究棟は、キャンパス中央の第一講義実習棟の北西側に新築する計画で、7階建て延べ6510平方bを想定。医師・歯科医師・看護師・保健師・助産師・理学療法士・作業療法士・薬剤師の養成課程で、実践的問題解決能力を身に付けた高度専門職業人の養成と、熱帯医学・感染症・放射線医療科学分野で世界をリードする卓越した研究を推進するための国際的な共同研究教育拠点として整備。施設内には、全学共用のレンタルラボ(630平方b)も設ける。さらに、民間の収益施設となる創エネ設備も整備する。ここでは、自然エネルギーの積極的な活用と、効率的な設備システムの導入などで、空調・照明に必要な年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにする建築物「Nearly ZEB」を目指す。

 PFIでは、総合研究棟の整備・運営(レンタルラボ含む)や創エネのほかに、新棟の北西側に隣接する生協食堂棟を増築(約180平方b)した福利施設の整備を計画。また、総合研究棟に隣接する既存の第一講義実習棟や医学部基礎研究棟の維持管理も対象とすることを想定している。総合研究棟と福利施設はBTO(Build Transfer and Operate)方式、創エネ施設はBOT(Build Operate and Transfer)方式で進める。

 本年度、樺キ大(本社:東京都)に委託したPFIの導入可能性調査によると、「VFM(費用対効果)が3%を超え、定量的には導入可能性がある」とするとともに、「民間事業者への意向調査で参画の意志・興味を持っている事業者が多く、事業者による創意工夫も期待される」などとした。

 長崎大学では、この結果を踏まえ、来年度にアドバイザリー業務を委託し、PFI事業の実施方針を公表することを計画。同年度中に、PFI事業の特定事業者選定の入札を行って契約締結まで進めたい考え。設計・建設は25年度から3年間で行い、28年度から運営を開始することを目指している。
ksrogo