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建設経済新聞社
2023/12/11

【京都】太陽光パネルの大量廃棄に備え まずは長寿命化で発生抑制 オール京都でリユース等推進

 京都府の西脇隆俊知事は、7日開催の12月議会の代表質問(1日目)で、今後予測される使用済太陽光パネルの大量廃棄について答えた。
 西脇知事は「使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクル、埋立処分について、太陽光パネルの寿命は一般に20年から30年といわれており、経済産業省の資料によると、全国での使用済み太陽光パネルの排出量は、2020(令和2)年度の約3000tが2036(令和18)年度には約17万tから28万tへと急激に増加すると予測されている。京都府内の2036(令和18)年度の排出量は、その約1%にあたる2000t程度になると見込まれている。今後確実に訪れる排出量の急増に向けて、まずは長寿命化による発生抑制を進めながら、リユース・リサイクルを促進し、最終的には埋立処分などにより適正処分する総合的な取組が不可欠と考えている」「長寿命化、リユース・リサイクルにあたっては、家庭用太陽光パネルにおいては、長寿命化に不可欠な点検が十分に実施されていないこと、リユースパネルは安全性、耐久性などへの心配から利用が進んでいないこと、リサイクルにはコストがかかるほか、リサイクル製品の用途が限られることなどが課題となっている。また埋立処分にあたっては、有害物質対策が必要なことなどから、国において今年4月から廃棄やリサイクルのあり方についての検討が進められている。京都府においては、太陽光パネルの長寿命化、使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクルの促進に優先的に取り組むため、昨年12月に使用済み太陽光パネルの新たな循環システムの構築に向けた産官学による京都PVパネル循環プラットフォームを設置した。このプラットフォームには、太陽光パネル関連設備の製造業、設計システム開発業、メンテナンス業、使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクル業など17の事業者が参画しており、家庭用太陽光パネルに対する点検の周知、公共施設等でのリユースパネルの利用の促進、リサイクル技術受け入れ先についての情報発信などの取組について現在検討を進めている」「京都府としては、今後、新たな技術開発や施設整備への補助制度なども活用しながら、府民運動としてオール京都体制で使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクルの取組を推進することで、循環型社会の構築に取り組んでいきたい」と考えを述べた。
 なお京都PVパネル循環プラットフォームについて、長寿命化ワーキンググループと資源循環ワーキンググループを設置。令和5年11月に初会合を開催し、検討を開始した。