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日本工業経済新聞社(群馬)
2023/12/14

【群馬】県住宅政策課 中尾県営住宅でPPP/PFI検討

県住宅政策課は高崎市にある中尾県営住宅で、PPP/PFIによる建て替えの可能性を模索している。現在、市浦ハウジング&プランニング(東京都文京区)に導入可能性調査業務を委託。13日には15人が参加し建て替え事業に係る説明会およびサウンディングを行っており、年度内にPPP/PFI導入の可能性を結論づける。
中尾県営住宅は高崎市中尾町767−14に位置する団地。JR井野駅の徒歩圏内に位置しており、人気が高いため入居率は良好な状況。面積3万5276・18uの敷地内に1971年から78年までに築造されたA〜Qまでの17棟、433戸が立地している。構造は全てRC造。総延べ床面積が2万9362・11uとなり敷地面積・戸数ともに県内有数の大規模団地。将来にわたり継続活用する県営住宅で、高崎地区の中心的な役割が求められている。
PPP/PFIでの建て替えを検討しているのは72年〜75年までに建設したF、H、I、J、M、Oの6棟、168戸。敷地面積は1万1000u程度となる。老朽化に加え十分な予算や人員の確保が困難なこと、少子高齢化に伴う地域活力の低下、コミュニティの希薄化などを背景とし、居住性の向上やバリアフリー化、脱炭素化、災害対応などを配慮した建て替えや集約化を目的としている。また、余剰地を活用して地域ニーズに沿った新たな用途やサービスの追加、近隣の住宅団地などを巻き込んだまちづくり、地域活性化に寄与することなどを目論んでおり、PPP/PFIの可能性を探ることとなった。
これらを踏まえ同課では、再整備の目標として◇一定以上の品質の確保とともに、一定以上のコストダウンを図った県営住宅を供給すること◇現入居者が安心して住み続けられること、そのうえで、新たな子育て世帯等の入居を促進し、多様な世帯が住むまちとすること◇地域に開かれた多世代交流の場とすること−を掲げ、これら3項目を達成した上で、余剰地の処分などにより、できるだけ県財政負担の軽減を図ることを目指したいとしている。
13日に実施した説明会およびサウンディング調査において、目標に対する再開発の可能性に関して意見を収集。それら意見を参考とし、PPP/PFIの導入の可能性について検討する。導入可能となった場合、さらなる検討や調整を行い、事業化を目指すこととなる。一方で可能性が認められない場合は、施設改修などを実施しながら耐用年限まで使用し続ける。
なお、PPP/PFIで建て替えの対象としていない11棟については、長寿命化改修やバリアフリー化、居住性向上といった全面的住戸改善工事をこれまでに完了させており、将来的に建て替えを検討していく。