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北陸工業新聞社
2023/12/19

【石川】金沢大学/親水空間、大規模改修など/角間キャンパスマスタープラン/「未来社会との共創拠点」へ

 金沢大学はこのほど、「角間キャンパスマスタープラン」を策定した。老朽化した施設の大規模改修を最優先にしながら、既存スペースが不足した場合の「新たな建物の整備」、カーボンニュートラル計画に基づく「環境負荷の低減」、緑地、里山、交通といった「屋外環境の整備」のほか、金沢大学中央交差点付近における親水空間を備えた「フロントガーデン」計画などを打ち出している。
 金沢市中心部の金沢城内にあった旧キャンパスから角間町の現在地へ総合移転した同キャンパスは、北地区、中地区、南地区および里山ゾーンで構成。このうち北地区、中地区は1989年の総合移転から34年が経過し、施設及び設備の老朽化、施設機能の陳腐化に加えて、「まちとの物理的なつながりが希薄」―といった課題があることから、マスタープランでは、(1)「教育」(2)「研究」(3)「安全」(4)「その他」―の4つの観点で整理し、基本方針やコンセプト、整備方針を定めた。新たな視点として「ハード面を中心とした計画からの脱却」と、学内のみならず卒業生、地域住民、企業、地方公共団体などとの連携を取り入れた多様なステークホルダーと目指す「未来社会の共創拠点」を据えた。
 最優先となる老朽化した施設の大規模改修計画のスケジュールを見ると、建設後40年経過が目安となり、着工は最も古い北地区の17施設(89〜94年建築)が2029年度以降、中地区13施設(92〜02年建築)が32年度以降、南地区27施設(03〜17年建築)が43年度以降と見込んでいる。
 フロントガーデンは、大学の顔となる交流や賑わいを生み出し、共創を促進する空間と位置付け、配置施設には、「角間アクアテラス(親水空間)」、「ゲストハウスを中心としたやすらぎの空間」、「大階段(ライブラリースクエア空間)」、「構成員などが主体となって運営する店舗」、「民間企業などと連携した交流拠点」―などをイメージしている。
 新たな建物は、既設スペースの有効活用を最大限図った上で、スペースが不足した場合に、整備計画を検討するという。
 環境負荷の低減は、カーボンニュートラル取り組み計画に基づき、キャンパスを実証研究の場として積極的に活用し、教育、研究・開発、社会共創のソフト面の活動と一体となった取り組みを推進する。
 屋外環境では、歩きたくなる居心地のよい空間を整備し、交流・賑わい、やすらぎ・憩いを生み出す。「緑地環境」「里山環境」「交通環境」「屋外スポーツ施設環境」「南ゲートゾーン」の整備計画をイメージしている。

hokuriku