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新建新聞社
2023/12/19

【長野】松本市 「分散型市役所」整備構想を再度提示

バックオフィス機能は本庁舎に集約
南松本や松本駅前にも行政機能を配置
 松本市は、継続協議が続いている「分散型市役所」の整備構想を12月18日の市議会議員協議会で再度説明した。臥雲義尚市長は「見直しのポイントは、質の高いサービスを提供するために対面とオンラインを組み合わせた総合窓口を設置すること。それを下支えするバックオフィス機能は、現在の東庁舎の敷地内にコンパクトな本庁舎として集約する」と述べた。
 行政機能の再配置としては、◇本庁舎は現在の東庁舎敷地内に建て替え◇南松本には保健所機能を柱とした「分庁舎」の建設◇民間施設の一部を賃貸借した「松本駅前センター」の設置―を想定。各施設の具体的な規模や事業スキームは、今後検討していく方針とした。

 これまでの議会との協議や市民からは、分散型市役所の必要性のほか、市民サービスの低下を懸念する指摘などが挙がっていた。これを受け、2022年12月の議員協議会で提示していた具体案の見直しを行い、地域づくりセンターへ対面とオンラインを組み合わせた総合窓口の設置や、業務効率化を目的にバックオフィス機能を本庁舎に一本化―などを新たに盛り込んだ。
 地域づくりセンターは、市民に最も身近な場所であるため、あらゆる相談や手続きが可能となるよう機能強化を図る。同センターは、対面とオンラインを組み合わせた窓口を設ける。本庁舎は新築に合わせて、必要なバックオフィス環境を整備し、リモートで対応できるようにする。
 まちづくりとの連動では、本庁舎は現在の東庁舎敷地内で建て替えを行い、独立した「議会棟」と「駐車場」を整備する。現在の本庁舎敷地は、松本城を核とした公共空間の整備を見据え、建物は建設せず、新たな公共空間としての整備・活用を予定している。
 南松本には、「イオン南松本店」南側にある未利用市有地に南松本庁舎の建設を構想。同庁舎には保健所を柱とした行政機能を配置し、既存の周辺施設と連携して、市民の健康を支える拠点とする考え。
 松本市の市役所建設を巡っては、前市政が現地建て替えとする建設基本計画を2020年2月に策定。同年4月に臥雲義尚市長が同計画内容の見直しを表明した。同年7月より分散型市役所の構想を市議会と協議しているが、現在に至るまで継続協議の状態が続いている。
 12月18日の議員協議会でも、議会側は「継続協議」と集約した。

提供:新建新聞社