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福島建設工業新聞社
2023/12/25

【福島】無流水渓流の土石流対策へ指針策定/県土木部

 福島県土木部は、無流水渓流の土石流・流木対策に向けて、対策工法等のガイドラインを作成する。大作沢(川俣町)をモデルとして設計を行い、その過程で整理した渓流の特徴に応じた工法選定の考え方、フローなどをまとめ、今後の対策検討、設計に役立てる考え。
 無流水渓流対策は、平成30年7月豪雨で人的被害があった渓流の約7割が小規模渓流(流域面積5ha)だったことなどを機に、国土交通省が推進している。谷出口まで宅地開発が進み、土石流が発生すると危険性が高い一方で、地形等の制約により砂防堰堤等の施工が困難などの課題がある。
 国交省は無流水渓流対策の技術的留意事項(試行案)を作成し、2020年3月に都道府県等に通知。無流水渓流を@流路が不明瞭で常時流水がなく平常時の土砂移動が想定されないA基準点上流の渓床勾配10度以下で流域全体が土石流発生・流下区間にある−と定義付け、計画策定や設計手法の方針等を示しているが、全国的に対策の実施事例が少なく、技術的な知見等の蓄積が進んでいない状況。
 同部は、川俣町字大作地内の大作沢で無流水渓流対策を実施する。国の技術的留意事項に基づき検討、設計を行うに当たり、想定される透過型や不透過型、アンカー・ネット式など構造物の工法について特性、留意事項等を整理。場所や地形など渓流の特徴や施工性、経済性を踏まえた選定の視点、手順等もまとめる。
 整理検討した内容は、技術的留意事項を補足するガイドラインとして、24年度から活用する予定。計画策定や設計作業を円滑に進め、効果的・効率的な無流水渓流対策の実施を目指す。
 大作沢の設計とガイドライン作成は一括して業務委託する。条件付一般競争の入札手続きを進めている。