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建通新聞社四国
2023/12/26

【愛媛】第6回松山外環地方部会 全線開通が必要 

 学識経験者や行政関係者、観光・運輸関係者などで構成する愛媛県高規格道路等利活用検討会(会長・吉井稔雄愛媛大学大学院理工学研究科教授)は12月19日、第6回松山外環状道路地方部会を県庁で開催。松山外環状道路について、松山空港から国道196号までの未事業化区間約9`も含め早期の全線開通が必要不可欠であることをあらためて確認した。また未事業化区間は現在、高規格道路の整備として道路網整備計画の段階にあり、事業着手に向けてまずは計画段階評価への早期ステップアップを目指し気運の醸成を図ることで一致した。
 松山外環状道路は、国道11号から松山空港までの10・6`区間が事業化済み区間で、国道33号から国道11号までのインター東線(延長2`)、国道33号から国道56号までのインター線(延長4・8`)、国道56号から主要地方道路松山空港線までの空港線(延長3・8`)で構成する。このうちインター東線は未整備でインター線は開通済み。空港線では余戸南インターチェンジ(IC)から東垣生ICまでの区間2・4`が2024年2月24日に開通する予定。今後はこれら事業化済み区間の早期整備を目指すとともに、未事業化区間の早期事業化を国へ働き掛けていく。
 当日は、松山都市圏の抱える四つの交通課題として、@市街中心部の慢性的な渋滞の発生A臨海部での円滑な物資輸送を阻害する速度低下B災害時の確実な緊急物資輸送への懸念C観光地間の移動の阻害・広域連携のための高速交通基盤の不足―を共有。これらを解決するためには「未事業区間を含めた松山外環状道路の全線開通が必要不可欠。松山外環状道路が全線開通すれば信頼性の高い高速交通基盤が整備され、これら交通課題の解決が期待される」とした。
 委員からは「松山市中心部に観光客が集中するオーバーツーリズムを避け、空港・港湾から直接、東予・南予へ分散できるような高規格道路の整備などが急務」といった観光振興の側面からの意見が特に多く寄せられた。また吉井会長は「人口減少社会やSDGsなどの問題を抱える中、物流をしっかり回していくことも大切。その中で物流を下支えする道路は極めて重要」とした上で「高規格道路の整備は中長期的な話になるが、交差点改良や県道拡幅など短期的な対策も絡めながら対応してほしい」と述べた。

提供:建通新聞社