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秋田建設工業新聞社
2024/01/11

【秋田】馬場目川水系の水災害対策/内川川のバイパス化で地質調査

 秋田地域振興局建設部は、昨年7月の大雨を踏まえた馬場目川水系の水災害対策プロジェクトに関し、内川川(五城目町)バイパス化の詳細設計に必要な地質調査を31日に開札する。詳細設計も年度内に公告する予定。プロジェクトでは富津内川や馬場目川でも水災害対策を実施するため、富津内川の地質調査や詳細設計の公告時期を検討中。また、3河川の整備を河川整備計画に位置づけるのに必要な河川環境調査を1件で31日に開札する予定。

 馬場目川水系の水災害対策プロジェクトは、昨年7月からの大雨で水系内の5河川が氾濫したことを踏まえ、県や市町村が連携して策定した。特に馬場目川では過去最高水位を観測したほか、富津内川と内川川では4年8月豪雨に続き2年連続で浸水被害が発生したため、早急に河川改修を行って家屋浸水の解消を図る。

 馬場目川圏域には現行の河川整備計画があり、三種川や井川、馬踏川などの整備が盛り込まれているが、馬場目川本川やその支川である内川川、富津内川は盛り込まれておらず、県単事業で馬場目川の久保工区や富津内川の河川改良などが進められている。

 このため内川川、富津内川、馬場目川の整備は馬場目川水系水災害対策プロジェクト(事業期間:14年度まで)に、「氾濫をできるたけ防ぐ・減らすための対策」として盛り込まれている。秋田地域振興局が今年度に委託した洪水量評価・洪水痕跡調査業務(パシフィックコンサルタンツ)では、これらの河川を整備計画に位置づける作業を進めている。

 現段階での計画によると、内川川では内川湯ノ又地区の集落を迂回して避けるイメージで河川をバイパス化し、ショートカットさせる計画。富津内川では、内川川との合流点下流にある下山内地区が浸水しないよう、輪中堤を整備する予定。

 両河川では、昨年度に委託した河川概略検討業務(建設環境研究所)で数値図化を進めていたが、今回の豪雨災害もあり追加で図化が必要となったため、今年度は八州に数値地形図作成を委託。来年度は用地測量や用地買収への着手も目指す。

 馬場目川では現在、坊村橋〜真崎頭首工の延長約2,900mを県単事業「久保工区」とし、このうち1,500mの河道掘削・護岸工(久保橋〜真崎頭首工)を推進。来年度以降は用地買収や築堤・護岸などを行う。河川整備計画への反映に向けては、久保工区も含め全体の整備対象範囲などを検討している。

 今月31日に開札するこれら3河川の河川環境調査では、魚類や底生動物の生息・生育環境や植物相調査を行い、調査結果を踏まえて河川整備計画に保全方法などを反映させる。

提供/秋田建設工業新聞社