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建通新聞社(岡山)
2024/01/15

【岡山】岡山河川 吉井川整備 方針変更で計画策定へ

 国土交通省岡山河川事務所は、気候変動に対応した吉井川整備基本方針の変更案をまとめ、本省の社会資本整備審議会河川分科会などで協議・検討した結果、12月下旬に方針変更が承認された。今後は、変更内容に基づき、国、県がそれぞれの管理区間の河川整備計画を策定し、整備メニューの具体化を図る。
 主な変更点は、2009年3月策定の現行基本方針の河道部分と洪水調節施設の配分流量を見直し、気候変動による降雨量増加を織り込み和気町岩戸地点の基本高水のピーク流量を1万1600立方b/秒(現行1万1000立方b/秒)と想定。洪水調整施設により2900立方b/秒を調節、岩戸地点の河道への配分流量を8700立方b/秒(現行8000立方b/秒)に変更した。
 洪水調節機能を担う苫田ダムなどの上流ダム群では、現行基本方針で定めた洪水調整容量2000万立方bに加えて、新たに1500万立方bの貯留・遊水機能による洪水調節を追加した。
 整備メニューを含む整備計画の策定については、今後、協議などを通じて策定する。整備メニューは流量増加に伴う治水機能強化整備や洪水調整容量増加に対応した貯留・遊水機能強化などが想定される。
 同事務所では、吉井川本川の河口部から32`ポスト付近にある新田原井堰上流部(和気町岩戸地区)までの区間延長約42`や、支川金剛川の一部、苫田ダム機能強化などの直轄工事区間の整備計画を検討する。旧来の整備方針に基いた整備計画を見直し、新たな整備方針に対応する。
−県の取り組み−
 県では、変更前基本方針を基に県北部の「中上流ブロック」「吉野川ブロック」の整備計画を策定済みで、現在は県南部の瀬戸内市他の吉井川支川「下流ブロック」の整備計画を検討中。これにより吉井川流域全体の主な県管理区間整備計画がまとまる。
 さらに、今後は今回の変更点も踏まえた本川、流域支川、県管理ダムなど必要な計画見直しなどにも取り組むことになる。
 吉井川本川の総延長は約133`、このうち県管理区間は89`。流域支川の一級河川は215河川あり、本川と併せて河川総延長約1060`、流域面積2110平方`に及び、岡山三川(吉井川、旭川、高梁川)の中でも河川数、流域面積ともに最大。
 県内河川全体では河川総延長2815`と膨大な延長となっており、県では限られた予算措置の中で優先順位を考慮し計画的な整備推進を行っている。
−整備基本方針と整備計画―
 旧来の河川整備は河川別に「工事実施基本計画」を策定し取り組んできたが、1997年の河川法改正により河川管理者だけでなく地域との連携が重視され、各河川の整備基本方針と整備計画を策定、基本方針策定後は各河川管理者により計画が策定される2段構えとなっている。この方針や計画は、20〜30年後の長期的な整備計画を目標とするもので、各河川の治水、利水機能を維持する根幹の計画となる。

提供:建通新聞社