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新建新聞社
2024/01/16

【長野】大町建 松糸道路大町区間は「Cルート帯」選定

市街地利便性を重視、事業費は約270億
 県大町建設事務所は、地域高規格道路・松本糸魚川連絡道路の「大町市街地区間」について、ルート帯3案の比較評価などを踏まえた結果、市街地の利便性を重視した「Cルート帯(延長約8.6km)」を最適ルート帯に選定した。Cルート帯の事業費は約270億円。1月13日夜の住民説明会で発表した。
 Cルート帯を選定した理由としては、市街地内の交通緩和や交通事故減少の期待、災害時のネットワーク機能強化、農地や田園景観に対する影響が小さい、市が目指す集約型都市構造に寄与、公共施設跡地や空き家の有効活用―などを挙げた。
 Cルート帯は、起点を県道有明大町線の特別養護老人ホーム「銀松苑」付近とし、国道147号の交差点「上一北」周辺でインターチェンジ(以後IC)を設置し、JR大糸線を立体交差し木崎湖方面へ進んでいく。大町市運動公園「野球場」の東側から高瀬川を渡河。県道有明大町線にICを設置しながら、松本砂防事務所高瀬川出張所の東側を通って、県道扇沢大町線のICまで直線的に北に進む。その後、県道白馬岳大町線でICを設置し、終点となる国道148号「木崎湖トンネル」入口で現道に接続する。
 事業費は約270億円(工事費約170億、用地補償費約100億)で、年間の維持管理費は約8300万円。JR跨線橋の延長は約340m、箇所数は2カ所とした。高瀬川渡河部の橋梁は延長約330mを予定する。
 23年11月の説明会では、ルート帯3案の比較評価結果(5分野13項目)を示しており、Cルート帯は、◇交通の円滑化◇防災拠点とのアクセス性◇土地利用への影響(農地)◇安全な暮らしの確保◇まちづくりとの連携性―の5項目で優位性が高いとの結果が出ていた。
 事業実施に向けて配慮する内容には、地震や河川氾濫などの災害および景観面を考慮した道路構造の検討、地権者を対象とした相談会や代替地の調整―など。また、まちづくり・地域活性化の関係で、空き家対策や公共施設の跡地利用、道の駅の設置に向けた検討などを予定する。
 今後は、地区等の説明会や現地測量を経て、ルート(線)の検討、都市計画決定の手続きに進んでいく。

提供:新建新聞社