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秋田建設工業新聞社
2024/01/19

【秋田】新たな雨水幹線の基本設計を公告/中通・南通・楢山の2,200m

 秋田市上下水道局は19日、雄物川下流圏域水災害対策プロジェクトの一環で中通・南通・楢山地区に敷設する雨水幹線の基本設計を公告した。大雨被害を受けた楢山南中町〜本町、中通・南通などにおいて、既設合流管の地下部に延長2,200m、管径2,600mmで計画。10月31日までの履行期限でまとめ、その後すぐに詳細設計に着手できるよう諸準備を進める。19日にはこのほか、八橋・泉地区の浸水被害軽減計画の策定や、内水浸水想定区域図の作成も公告している。

 秋田市では梅雨前線の影響で昨年7月14日〜19日にかけて断続的に雨が降り続き、7月15日の24時間降水量が仁別観測所で観測史上最大を記録。1日だけで7月の総降水量に匹敵する降雨となるなど、市内全域が記録的な豪雨に見舞われた。整備の対象となっている中通、南通、楢山地区などの市街地では、内水氾濫などにより広範囲が冠水し、地下道の水没や建物の浸水被害が多く発生した。

 駅西地区に敷設する新たな雨水幹線は、エリアなかいち裏の中央通りから羽州街道を中通小学校脇、楢山地区の住宅街を通って川口汚水中継ポンプ場まで、既設管より深い位置に延長2,200mを敷設するもの。大雨で冠水被害を受けた家屋浸水被害の軽減を図るため、氾濫量の約2割(約12,000㎥)を一時的に貯留する管渠を検討する。

 既設管と新設管の間には特殊マンホールを設置し、既設管からの雨水受けと新設管への雨水吐きを想定。新管は通常よりも相当の深層部に敷設するため、川口汚水中継ポンプ場に到達した時点では旭川の河床部ほどの深さになっていると想定されている。既存管の排水能力を超えた雨が降った際にその分の雨水を一時的に貯留。晴天時に既設のポンプを使って県の秋田臨海処理センターに排水する予定。敷設工事は8〜10年度の3カ年で行われる予定。

 昨年9月の豪雨で被害を受けた八橋・泉地区の浸水被害軽減計画では、河川へ強制的に雨水を排水するためのポンプ1基を大道東橋近くの草生津川沿い(既設草生津川左岸3号幹線流末、八橋田五郎2)に設置。業務委託では同排水ポンプの基本設計を行うほか、浸水対策に有効なそのほかの整備についてもシミュレーションし、八橋・泉地区の浸水被害軽減を図る。ポンプは来年度、詳細設計を委託する予定。

 上下水道局では秋田市内の河川沿いにおいて、雨水排水樋管33カ所にフラップゲートの整備も検討しており、河川からの逆流防止を図る。

 内水浸水想定区域図の作成では、広面や横森、桜地区を対象とするもので、浸水常襲区域以外の簡易的な区域図作成も含まれている。7年度は残りの土崎、将軍野、山王、新屋地区を対象に作成する予定。

 なお、19日には「効率的な事業実施のための秋田市公共下水道全体計画等見直し業務委託」も公告。浄化槽エリアで下水道管敷設の要望があった一部のエリアを下水道区域に編入するため、全体計画を修正する。太平中山谷などが対象となっている。

提供:秋田建設工業新聞社