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建通新聞社(神奈川)
2024/01/23

【神奈川】県 相模ダム ピア更新は28年度から

 神奈川県企業庁は、老朽化した相模ダムを更新するため、既存の施設の下流側に新たに放流施設を建設する。下流施設の工事を先行して進め、2028年度からピアの更新に取り掛かる予定だ。24年度にも工事進入路となる仮桟橋の設置工事などをまとめて発注することを想定しており、本格的にリニューアル事業を進めていく。
 放流施設の更新に当たっては、既存ゲートを残したまま既存ピアを中ほどで切除し、新設のピアなどを構築する。工事中は既存ゲートを仮締切ゲートとして使用し、ダムの運用を継続する考えだ。更新後は既存ピアとゲートは撤去する。
 新設ピアが下流側になり重心が移動することから、更新に先立って27年度から既存堤体に腹付けコンクリートを打設。ダム堤体の安定性を図る。
 工事期間は11月1日〜翌年6月14日で設定しており、ピアの更新工事には1基につき2〜3カ年ほどを見込む。ピア全7基の工事期間としては、28〜41年度までを設定。相模ダム右岸側の調整ゲートから順次ピアとゲートを更新する流れ。現行のローラーゲートなどから鋼製ラジアルゲートに変更することで、メンテナンス性能や景観の向上を狙う。調整ゲート1門を30〜31年度、洪水吐ゲート5門を32〜40年度にかけて更新する。
 その他、ゲート工事を一望できるようにするため、右岸側に展望施設を建設する。詳細設計をアジア共同設計コンサルタント(横浜市南区)に委託。25年度に工事を発注する予定で、27年度から始まる放流施設の工事に間に合うように整備を進める方針だ。
 相模ダムは1947年に完成した重力式コンクリートダム。完成以来大規模な改修をしておらず、施設の老朽化が進行していた。リニューアル事業の概算事業費は約420億円、事業期間は42年度まで。
 所在地は相模原市緑区与瀬、若柳。


提供:建通新聞社