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建設経済新聞社
2024/02/06

【京都】消防指令センター集約し共同運用 概算事業費は約138億円 京都市消防学校の一部改修

 京都府南部地域9消防本部(京都市、宇治市、乙訓消防組合、城陽市、八幡市、京田辺市、久御山町、相楽中部消防組合、精華町)は、消防指令業務の共同運用に向け、京都市南区の京都市消防学校の一部を消防指令センター仕様に改修するなどの整備に着手する。
 9消防本部が共同で整備する「南部消防指令センター」は、京都市消防学校の4階部分に設置(3階部分には待機室を設置)。
 南部消防指令センターは、▽消防指令センター265u(230u/カッコ内は京都市消防指令センター、以下同じ)▽指令台・平常時14台、大規模災害時28台(平常時9台、大規模災害時18台)▽119番受信回線数56回線(36回線)▽事務室等145u(117u)▽待機室155u(56u)▽通信機械室、コンピュータールーム200u(154u)。
 南部消防指令センターに整備するシステムの主な機能は、@AI技術を用いた災害地点の確定と出動指令の迅速化A南部消防指令センターと9消防本部の情報共有体制の強化(▽モバイル端末を活用した現場支援システムの導入▽各消防本部に設置する情報共有端末の導入▽9消防本部で同一規格の消防救急デジタル無線を整備▽新機能「消防力シグナル」による消防相互応援の判断の迅速化▽通報手段の多様化に対応)。
 概算事業費は全9消防本部の事業費が約138億円で、うち京都市事業費が約87億円。市の事業費は第1期(令和6〜8年度整備、9年度運用開始)が約81億5000万円、第2期(令和11年度整備、12年度運用開始)が約5億5000万円。上記費用は南部消防指令センターを京都市消防学校内に設置することに伴う庁舎改修等に要する経費を除く。
 今後は、令和6〜8年度に@消防指令システム、消防救急デジタル無線等の整備A庁舎改修(京都市消防学校の一部を消防指令センター仕様へ改修)を実施、9年度から第1期消防本部(京都市消防局、乙訓消防組合消防本部、京田辺市消防本部、久御山町消防本部、精華町消防本部)の運用を開始、11年度に第2期消防本部(宇治市消防本部、城陽市消防本部、八幡市消防本部、相楽中部消防組合消防本部)のシステム接続のための整備を行い、12年度から全9消防本部での共同運用の開始を目指す。
 南部消防指令センターの管轄人口は約217万人(令和2年国勢調査)。受信件数は約19万件(令和5年9消防本部受信件数)。
 事業効果としては、@119番受信・処理能力の向上A消防相互応援の迅速化B消防体制の充実・強化及び財政面の効果を挙げた。
 京都市は関連業務として、(仮称)京都府南部消防指令センター及び消防学校整備工事設計業務委託ただし、内外装その他改修工事基本設計・実施設計業務を令和5年6月に開札し、コム・キューブ(京都市中京区)に決定。
 また、京都府南部消防指令センター整備運用協議会(事務局・京都市消防局総務部総務課内)は、京都府南部消防指令センター共同運用実施設計業務について、公募型プロポーザルでEYストラテジー・アンド・コンサルティング(東京都千代田区)を選定、5560万円で随意契約した。