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日刊建設タイムズ社
2024/02/08

【千葉】3事業に新規着手/東庄銚子BP150億、高瀬川等200億/県土整備事業評価審

 県県土整備部は7日、2023年度第5回県土整備公共事業評価審議会を県庁南庁舎4階県土整備部会議室を本部とし、ウェブ会議形式で開催した。審議案件は、事前評価の「一般国道356号(東庄銚子バイパス)」「(高潮対策事業)東京湾北部地区(二級河川高瀬川・谷津川・菊田川)」「(地すべり事業)地すべり防止区域南房総市増間」で、いずれも対応方針案の通り新規事業着手が認められた。全体事業費は、東庄銚子バイパス150億円、高瀬川ほか200億円、増間15・3億円。
 国道356号は、銚子市から我孫子市までを連絡し、県北部地域の経済活動や観光産業などを支える幹線道路。地域間交流・連携の強化、緊急輸送道路ネットワークの強化などを図るためバイパス整備や現道拡幅を実施し、事業中の小見川東庄バイパスと銚子バイパスをつなぐことでミッシングリンクを解消する。
 対象区間は、東庄町新宿地先から銚子市小船木町地先までの延長8・6km。幅員は9m(車道3・25m×2車線、路肩1・25m×両側)。バイパス区間は利根川堤防上に歩行空間などを設け、また現道拡幅区間では既存の歩道を現況のまま利用する。第3種第2級道路、設計速度60km/hの計画。事業期間は24〜33年度。
 費用便益比(B/C)が1・8で投資効果が認められるほか、住環境・安全性の向上、産業面の効果、地域間交流・連携の強化、救急医療活動の支援、地域防災機能の強化が期待できることから、事業着手し、早期整備を図る。
 東京湾北部地区にある高瀬川、谷津川、菊田川は、高潮の影響を強く受ける東京湾最奥部に位置。埋め立て背後の低平地に多くの人口・資産が集中しており、ひとたび高潮が発生すると甚大な被害が懸念される。高潮災害から市街地を防護するため、河川高潮対策事業として、高瀬川に水門1基、谷津川に水門1基と排水機場1基(3m3/s)、菊田川に水門1基と排水機場1基(30m3/s)を整備する。
 事業期間は24〜48年度。高瀬川、谷津川、菊田川の順に整備着手する方針。
 現況河道に計画高潮位AP+6・2mの高潮が生じた場合、浸水想定区域385・1ha、浸水建築物数4460軒、想定被害額3094億円となっているが、事業の実施により解消される。
 B/Cが4・76で投資効果が見込めるほか、浸水被害の低減を図る必要があり、必要な用地を確保済みであることから、事業着手する。
 増間は、指定面積500haの地すべり防止区域。保全対象は、人家28戸、県道富山丸山線320m、市道4335m、農道その他394m。
 事業規模は、地すべり調査20ブロック、地すべり対策工(明暗渠工、横ボーリング工、押さえ盛り土工、グラウンドアンカー工、排土工、浸食防止工、法枠工)。事業期間は24〜31年度。
 全体事業費40億円に満たないものの、砂防関係個別補助事業として進めていく予定であり、国土交通省への評価書の提出が求められることから評価の対象とした。
 B/Cが2・16で投資効果が見込めるほか、地すべりが発生した場合、交通の寸断により地域防災、生活、経済に与える影響が大きく、人家の基礎部に亀裂等の変状が生じるなど危険性が高いため、事業を実施する。
 会長の轟朝幸・日本大学理工学部交通システム工学科教授は、今回が23年度最後の審議会となったことを受け、総括した。所管課による真摯(しんし)な取り組み姿勢を評価した一方で、再評価に先行して事業費を増額する案件が複数見受けられたことから、適切に手続きを進めるよう意見を付した。
 池口正晃・県土整備部長は、委員に対して謝意を表した上で「われわれの対応が至らなかった点も多々ある。いただいた意見について、今後の県土整備行政の推進に役立てていきたい」と話し、引き続きの指導を求めた。k_times_comをフォローしましょう
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