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建通新聞社(中部)
2024/02/13

【三重】県知事に企業庁包括外部監査報告書提出

 一見勝之三重県知事は、包括外部監査人(税理士・神谷研)から監査結果について報告書を受け取った。企業庁が水道用水供給事業・工業用水道事業として2022年4月1日〜23年3月31日に執行した入札を対象に、くじ引きや1者入札案件に対する意見があった。
 包括外部監査人は、予算執行に合規性・正確性、有効性・効果性・経済性を持っていたかを確認。報告書をまとめるに当たり「指摘」と「意見」で評価、指摘の場合は速やかな改善、意見の場合は改善を検討することを求めた。
 契約事務に関することでは、企業庁は契約金額1000万円以上の工事114件、委託57件を契約した。このうち工事15件、委託11件を抽出し監査した。結果、「多気浄水場ほか環境保全業務委託」で、業務責任者要件に該当しない者が担当していたことが指摘された。業務責任者は変更されているが、専任するときに要件を確認するべきであるとした。
 入札手続きでは、多数の業者によるくじびき案件、1者入札案件が相当数あった。工事契約115件のうち、110件で一般競争入札を行った。価格競争だった76件中47件(構成比率62%)がくじ引きであり、76件中54件(同71%)が最低制限価格と同額だった。1者入札案件は76件中18件(同24%)あった。
 委託契約は一般競争入札のうち価格競争が28件あり、16件(同57%)が1者入札、総合評価方式でも11件中8件(同73%)が1者入札だった。
 これらに対する意見として、くじ引きによる落札防止には、業者の入札価格に基づいた変動型最低制限価格制度の試行を含む検討を求めた。予定価格の事後公表についても触れており、試行対象案件の拡大と不正行為防止措置の強化が望まれるとした。1者入札については、理由と条件の検証、業者へのヒアリングといったことを行い、検討することを要望した。
 全体で見ると、指摘があったのは修繕引当金の取り崩し、固定資産の除去処理など8件、意見があったのは15件だった。

提供:建通新聞社