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建設経済新聞社
2024/02/16

【京都】向日町競輪場の再整備事業 公募プロポ見据え募集要領検討

 京都府は、「自転車(サイクル)を通じて、交流・賑わいが循環(サイクル)する競輪場」をコンセプトに向日町競輪場の再整備に着手する。
 再整備は、公募型プロポーザルによる実施を見据え、募集要領等の策定に向けた検討に入る。関連業務として向日町競輪場再整備検討支援業務について、三菱UFJリサーチ&コンサルティング大阪(大阪市北区)とこのほど契約した。
 令和6年度当初予算案の収益事業特別会計の競輪事業費として、施設再整備費の委託料に1億0500万円、工事請負費に6億5900万円を計上するとともに、向日町競輪場施設等整備基金積立金に3億0406万円を充当。また債務負担として、令和6年度向日町競輪場老朽化施設解体費に限度額7億6000万円を設定(期間は令和6〜8年度)。
 令和5年12月にまとめた向日町競輪場基本構想によると、競輪事業の継続に必要な施設の再整備として、@安全・快適で、コンパクトな競輪場を目指す(▽来場者・利用者の安全性が確保された安心・安全な競輪場▽バリアフリー対応、映像提供・空調設備などが整備された快適な競輪場▽競走路(バンク)、選手宿舎などが機能強化された競技環境が整った競輪場▽来場者数を踏まえた施設・機能の集約化が図られたコンパクトな競輪場)A自転車競技関係者や自転車愛好家が集う競輪場(▽高校生、大学生などの競技会の開催や合宿・練習の実施など、自転車競技の振興や人材育成の場としての競輪場▽バンク走行体験、子ども向け自転車競技会、サイクルイベントの開催など、自転車に親しむ機会が提供され、自転車愛好家が集う場としての競輪場)B地域と共生する競輪場(▽近畿高等学校自転車競技大会など大規模な競技会、サイクルフェスタなど自転車関係イベントやKARA−1グランプリなど地域イベントの開催により、周辺住民をはじめ多くの府民が来場する競輪場▽集約化に伴い生じる余剰スペースが、その立地の良さを活かし、スポーツ活動・防災の拠点などとして整備されることで、地域の交流・賑わいの拠点となる競輪場)を設定。
 再整備コンセプトを踏まえ、競輪場敷地全体を「エントランスゾーン」「管理・運営ゾーン」「観戦・投票ゾーン」及び「交流・賑わいゾーン」にゾーニングをした上で、各ゾーンにまたがって点在する老朽化が著しい施設を除却し、競輪場敷地内の全面的な再整備を実施する。
 競走路やスタンドなど競輪事業の継続に必要な施設・機能については、今後の車券売上・収支、来場者数の見通しや他の競輪場の事例等を踏まえ、集約化を行った上で、「管理・運営ゾーン」及び「観戦・投票ゾーン」に集中的に配置する。
 競輪事業の継続に必要な施設の配置を行わない余剰スペースについては、「交流・賑わいゾーン」として整備を実施する。
 平均来場者数の実績を基に、観戦・投票施設であるスタンド及び場外発売時車券投票所で受け入れる来場者数(施設収容人数)をそれぞれ1000人、500人程度、観客席数をそれぞれ、500席、100席程度に設定する。
 主要施設の再整備では、バンクは大規模改修し、選手宿舎は新築して個室化や女子選手対応設備の整備を行う。スタンドは、複数の建物に分散していた観客席などの集約、来場者数を踏まえた適正な規模への見直しの上、新築する。場外発売時車券投票所は、他の競輪場で開催されている競輪の車券発売のための施設をスタンドとは別に、スタンドに近接する位置に新築することにより、広範囲に分散していた投票施設を集約。場外発売時の開放エリアを限定することで運営コストの削減を図る。
 想定事業費は、基本構想の時点で約70〜80億円程度と想定するが、引き続き精査する。再整備にあたり、施設整備基金などを可能な限り活用するとともに、資金調達能力や豊富な経営ノウハウなど民間事業者の強みの活用なども検討する。
 スケジュールは、令和10年度までを再整備期間とし、令和11年度にリニューアルオープンを想定。老朽化施設の解体工事終了後、埋蔵文化財調査を実施し、その後各種の建築工事に着手。中央スタンドを解体するまでに場外発売時車券投票所を新築し、場外発売を継続。再整備期間中は、他の競輪場を借り上げて競輪を開催する。