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建通新聞社
2024/02/28

【大阪】週休2日当面取り組み予定なし 市町村半数 

 近畿地方の公共工事を発注する国や地方公共団体、特殊法人など53機関から成る近畿ブロック発注者協議会の幹事会が2月26日に開かれ、公共工事の品質確保や働き方改革の推進に向けた取り組みについて意見を交わした。施工時期の平準化に関して、全体的には債務負担行為の活用や積算の前倒しなどの取り組みが進んでいる一方、市町村では対応が追い付いていない現状が示された。また、週休2日対象工事については、府県・政令市で取り組みの合計値(発注率)が2023年12月時点で98%となっているものの、市町村での発注実績は2割に満たないといった実態がアンケート調査結果で明らかになった。幹事会では引き続き、市町村での取り組みが進むよう、府県ごとの地域発注者協議会を通じて働き掛けることを確認した。
 幹事長の小島優近畿地方整備局企画部長は、「建設業への時間外労働の上限規制の適用がいよいよ本年4月に迫っている。労働時間の削減に向けて、施工時期の平準化や週休2日制の導入など、各種の取り組みを進めていくことが必要だ」と述べ、各発注者に対して引き続きの協力を要請した。
 幹事会では、目標最終年次が24年度となっている「新たな全国統一指標」のこれまでの達成状況を確認するとともに、各発注機関の今後の週休2日の促進策について情報を共有した。 
 施工時期の平準化に関連した地域平準化率(件数)は、近畿ブロック全体の22年度の実績が0・71であるのに対し、最終24年度の目標値は0・78となっている。24年度、府県・政令市では「柔軟な工期設定」「速やかな繰り越し手続き」のさらなる活用を、市町村ではそれらに加えて「債務負担行為の活用」「積算の前倒し」「早期執行のための目標設定」を積極的に活用し、目標の達成に向けて取り組むことを確認した。
 この他、災害復旧など実施困難件数を除く、22年度の全体工事件数に占める週休2日対象工事の割合は、近畿ブロック全体(※調査対象に市町村含まず)で0・91と、前年度比0・11ポイントの大幅アップ。一方、週休2日工事の発注実績がある市町村は23年12月時点で16%にとどまり、逆に具体的な取り組みがされていない自治体が全体の半数近い49%に上った。
 協議会では、今後各府県域で開く地域発注者協議会とも連携し、平準化や週休2日対象工事の発注率拡大などに努めることを改めて確認。引き続き、実施状況についてアンケートを行い、進捗状況を確認・共有していくことにした。
 
〜大阪府 各種取り組みで平準化を促進〜
 地域平準化率(工事)について、大阪府は発注機関としての24年度の目標値を0・73、市町村の目標値を0・72とした。府としては、債務負担行為の活用(前年度の予算要求段階から計画的に実施)と、積算の前倒し(工事・業務の1カ月前倒しを幹部会議で働き掛け、業務積算の前年度実施を促進)の他、24年度から余裕期間制度を導入し、さらなる平準化を推進することとしている。また、大阪府地域発注者協議会などを通じて市町村にも情報提供。この中で、設定目標や大阪府の取り組み、市町村の好事例などを伝え、平準化の一層の促進に努める考え。