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建設新聞社(長崎)
2024/03/08

【長崎】県 佐世保警察署庁舎建替事業 WTOの一般競争で第3四半期にも

S造4階9850平方b 建設工事費71億

イメージパース(北東側外観)
 県は、移転新築する佐世保警察署の建設工事(建築)について、WTO対象の一般競争入札として2024年度第3四半期の公告に向け準備を進めている。24年度は、移転先に残る既存工作物の撤去工事などを進め、本体は入札手続き(第4四半期開札・6月議会承認案件を予定)が中心となる見通しだ。


 新佐世保警察署は、既存の佐世保警察署と相浦警察署を統合して佐世保市花園町に整備。計画規模はS造4階建て延べ約9850平方bで、敷地内には公用車83台・来庁者53台分の駐車場を整備予定。建設工事費は、労務費・資材の上昇を踏まえ約71億円を計画。大規模事業のため、発注関係業務は、県警本部ではなく土木部営繕課が担当している。

 敷地は佐世保市民会館跡地(約8400平方b)で、既存施設は既に佐世保市が解体済み。ただ、擁壁や植栽などの工作物が一部残っている。このため、県の24年度当初予算案で計上している建替事業費の1411万7000円は、既存工作物の撤去費用などに充てる。

 大建設計・松林建築設計事務所・重野設計事務所JVが、このほどまとめた実施設計によると、「地域景観と調和し、県民に寄り添う治安維持のシンボルとするとともに、いかなる時も稼働し続け、県北の拠点となる警察署」を基本とし、庁舎は、前面道路や周辺施設の状況が把握しやすい南東角に配置。警察関係と一般来庁者の車両動線は、出入口から明確に区分し、機動性・セキュリティを確保する。庁舎内は、免許窓口や拾得窓口など来庁者が多いエリアを1階に配置。高さが必要な武道場や講堂を4階にまとめて階高を最適化している。

 防災面では、敷地西側の既存擁壁を補強・補修するとともに、庁舎と緊急車両の出入口を土砂災害警戒区域外に配置。災害発生リスクを最小化。環境面では、外部熱負荷低減に適した東西に長い建物形状とし、ルーバーによる日射抑制や屋根・外装の断熱性向上により、消費エネルギーを抑え、CO2排出量を削減。ルーバーは、みかわち焼きをモチーフにし、デザイン性と逃走防止の役割も担う。

 24年度は、上期中に既存工作物の撤去工事を発注。並行して、本体工事の発注に向けた手続きを進め、まず建設(建築)工事をWTO対象の一般競争入札として、第3四半期中に公告したい考えだ。引き続き、各設備工事の発注手続きを進める。
ksrogo