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日本工業経済新聞社(埼玉)
2024/03/22

【埼玉】小川町 農業用ため池防災対策工で初弾2池を選定

 小川町は、町内で指定されている防災重点農業用ため池・計32カ所から初弾となる防災対策工事の施工箇所2池を選定した。下里上沼(下里字新道1826)と、堂ノ入沼(中爪字大黒123)が対象。両池とも早くて8月中の一般競争入札公告を目指す。
 大規模な自然災害に備えた堤体と洪水吐の改修、それに伴う取水施設の再整備などを行う。現状の貯水量は下里上沼が600t、堂ノ入沼が1600t。
 24年度予算に計上した、ため池防災対策関連事業費1億461万8000年から両工事費を拠出する。貯水期間に配慮した予定工期を組む。8月中に入札公告できれば、9月にも契約を結び、25年2月末ごろまでの完工を目指す。
 堤体が決壊した場合、下流域に大きな被害をもたらす恐れのあるため池が防災重点ため池に指定されている。町はこれまで、対象32池からさらに対策の優先順位などの検討を進めていた。24年度の工事発注を皮切りに、計画的な改修に取り組む。
 県は、ため池を管理する市町村の支援策として、ため池監視システム設置の費用と、設置後の維持管理費用を補助する枠組みを24年度予算案に設定した。監視システムの設置では、24〜27年度までの4カ年で計15カ所のモデル箇所を選定する考えであり、市町村の希望を今後集める。
 県の支援策について、町の担当課は「池の改修が終わっていない段階で監視システムを導入した場合、改修着手時にシステム撤去の必要が生じる可能性がある」としている。まずは、工事着手の見通しが立ったため池改修の進捗に力を入れる。