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建設経済新聞社
2024/03/28

【京都】足立病院本館建替・改修工事で高さ特例許可 景観審査会で事前協議

 京都市は26日、景観審査会で足立病院施設整備事業(足立病院本館建替え・改修工事)を審議(事前協議)した。
 医療法人財団今井会足立病院(理事長畑山博氏、京都市中京区瓦之町390、鍵屋町481−1、481−5)は、本館東側に新館を建設し、令和4年7月に完成させた。新館の設計はアーキネット京都1級建築士事務所(京都市中京区)、施工は松井建設大阪支店(大阪市北区)。
 本館から新館に産婦人科機能の移転が完了し、残る本館建替え・改修工事(耐震不足の本館西棟の解体、その跡地への増築、本館東棟の改修)を計画している。設計はアーキネット京都1級建築士事務所(京都市中京区)。
 先行して建設した新館を巡っては、旧市街地美観地区内において、15m第4種高度地区の高さ限度を超える病院(新館、建築物の高さ22・90m)を新築するにあたり、高度地区特例許可が必要なため、景観審査会の諮問を経て許可した。許可にあたり、「全体整備事業計画に基づき、地域貢献に係る機能の確保を図ること」を条件としており、今回計画の本館建替え・改修工事において6階会議室を地域交流スペースとする計画。
 また新館建設時は、本館の高さを抑え、西棟の増築部分は基準の範囲内で行うとしていたが、医療を取り巻く環境の変化に伴い、計画を見直し。本館増築工事についても、高度地区の高さの最高限度を超える計画となり許可が必要なため、景観審査会に諮る。
 今回は景観審の事前協議として計画概要などを報告し審議した。
 計画によると、東洞院通沿い東側の本館西棟(地下1階地上5階建、延2215・35u(建築面積404・70u)/高さ21・05m(塔屋含む25・15m))を解体し、跡地にS造6階建、延2485・34u(建築面積489・77u)/高さ21・30m)を増築。間之町通沿い西側の本館東棟(RC造6階建、延1620・66u(建築面積293・18u)/高さ21・05m)を改修する。
 再整備後の本館(西棟・東棟)は合計延4106・87u(建築面積782・95u)となる。敷地面積は1071・12u。
 再整備後の西棟は、地下ピットに受水槽、スプリンクラー用水槽を設置。1階に共用エントランスホール・設備室等、画像センター(192u)、駐輪場、2階に乳腺外来(202u)、形成(37u)、総合待合等、3階に乳腺・婦人科手術エリア(210u)、乳腺化学療法エリア(88u)、4階に乳腺・婦人科入院室エリア(368u、19床)、5階に産後ケア施設(256u、8室)、厨房を収容。6階に電気設備、自家発電機、倉庫、小会議室(54u)を配置する。
 東棟は、1階に小児科(217u)、2階に婦人科外来(196u)、事務室、3階に総務エリア等、4階にスタッフ業務エリア、5階にスタッフラウンジ・中央備品庫、厨房を収容。6階に大会議室(94u)、病理標本・カルテ庫・サーバー室を配置する。
 6階に配置する大会議室・小会議室を地域交流スペースに活用する。エレベーターは合計2基。うち1基は外部から病院の各部分を経由することなく、6階の大会議室・小会議室にアクセスできるようにする。
 本館は、東洞院通沿い西側のシンフォニア御池の外壁で使われている石材や、新館の大判タイルの色合いを採り入れ、足立病院としての統一感を持たせる。
 西棟は、道路に面する3〜5階の外壁面は、1〜2階よりも2・7m、6階の外壁は3〜5階よりも7・8m後退する3層構成とすることで、圧迫感を軽減し、高さを感じさせない工夫を行う。
 東棟は、道路面に面して設置してある既存のアール形状塀を撤去し、新たな格子状ルーバーを設置する。
 本館敷地内を東西に通り抜ける通路を設け、新館とシンフォニア御池をつなぐ歩行者用通路として整備し、患者の移動の負担や安全性の確保に努める。