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建設経済新聞社
2024/04/04

【京都】元松賀茂公園予定地跡地活用 住友林業が住宅街区20区画整備 公園再整備の提案も盛る

 京都市は3日、左京区の元松賀茂公園予定地跡地の活用に係る契約候補事業者として、住友林業梶i東京都千代田区)を選定したと発表した。
 公募型プロポーザル方式(総合評価方式)で契約候補事業者を公募。住友林業を含め3者の応募があり、契約候補事業者選定委員会で提案内容を審査した結果、得点が84・2点(100点満点)で最も高かった住友林業を選定した。同社の買受希望価格は15億2300万円。市が設定した予定価格(最低売却価格)は10億4700万円。
 同社の提案の主な内容は、▽住宅街区(20区画)の整備▽住宅街区内の通路整備▽隣接する松賀茂公園の再整備など。
 契約候補事業者選定委の主な意見は、「財務状況は安定している」「隣接する松賀茂公園の再整備や住宅街区内の通路整備について、地域コミュニティの形成の観点で評価できる」「植栽豊かなゆとりある住宅街区の整備について、周辺の住環境と調和しており、評価できる」「隣接する松賀茂公園の再整備については、良好な維持管理の継続の観点も踏まえて整備を進めてほしい」「別荘としてではなく、当該物件に住む人々の住宅として販売することに努めてほしい」「新たに住む人々への自治会加入促進の取組(勧誘など)をお願いしたい」。
 今後、同社と調整を行い、5月上旬頃の売買契約締結に向けて準備を進める予定。
      ◇       元松賀茂公園予定地跡地を巡っては、周辺に公園機能を代替する「みどり」があること、市の公園整備は再整備を重点的に進める方針で新規整備は困難なこと、市所有の未利用地は長期間保有し続けるよりも、住宅の誘致や産業用地の創出・企業誘致などを戦略的に推進する方針であることから、廃止する方針を決定。令和5年3月の京都市都市計画審議会で廃止する案を諮り承認し、令和5年4月に当該物件区域の都市計画を廃止した。
 その後、令和5年11月に募集要項を公表。募集要項の主な売却条件は、活用計画において用途はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)又はZEH−M(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の水準を満たした住宅とすることなど。
 元松賀茂公園予定地跡地(左京区松ケ崎呼返町47−2及び松ケ崎芝本町30−2)は面積が3381・92u。昭和18年から苗圃(苗を育てる畑)として活用してきたが、平成9年に閉鎖した。
 用途地域は第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率80%、敷地面積の最低限度100u)で、10m高度地区。
 既存建物はRC造平屋建、100・80uの事務所(昭和52年5月築)と軽量S造平屋建、110・16uの倉庫(平成4年3月築)。
 市営地下鉄松ヶ崎駅から南西へ直線距離で約250m、市バス・京都バス松ヶ崎駅前停留所から南へ直線距離で約150m。京都ノートルダム女子大学の南東側に位置し、周辺は低層戸建て住宅を中心とした住環境が形成されている。
 プロポ担当は京都市建設局みどり政策推進室。