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北陸工業新聞社
2024/04/15

【石川】ピックアップいしかわ2024/この人に聞く/「オール石川で復旧・復興を」/新幹線延伸効果を県内全域へ波及/石川県議会議長/善田善彦氏

 「能登半島地震により一瞬にして尊い命、自宅や職場が失われた人たちが多くいらっしゃる。被災者の生活と生業の再建、被災地の復旧・復興に県議会としても全力で取り組んでいく」と話すのは、3月11日に石川県議会議長に就任した善田善彦氏。
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 議員という立場を離れて災害ボランティアとして2月に2日間、被災地(七尾市、志賀町)に入り、高齢者世帯の壊れた家財道具の運び出しを手伝う。「少しでも被災地の力になれればという思いだった。この時は5、6人で1つのボランティアチームを編成したが、参加者には東北、新潟、九州といった県外の方がかなりおられた。聞けばご自身が被災経験者で、以前にボランティアのお世話になった時の恩返しとの理由だった。とてもありがたく思ったし、被災地が置き去りにならないよう、ボランティア活動が継続するよう被災地の情報を発信していくことが重要」という。
 被災したインフラの復旧が懸命に進められている一方で、発災から3カ月経っても倒壊した家屋がそのまま残り、上下水道も使えない、という被災地の現実がある。「復旧の足かせとなっているのは半島という地形。大動脈となる能越自動車、のと里山海道が大きく被災したことにより、能登北部への大動脈が断たれたのが痛かった。道路は現在も仮復旧の段階なので、インフラの強靱化、のと里山海道の4車線化を急ぐ必要がある」とし、復旧工事の発注にあたり地元業者が活躍できる体制づくりの重要性を強調する。
 県議会改革推進会議の会長としてデジタル化に尽力。「2月定例会からは議場にWi−Fi環境を整えて、パソコンの持ち込みを可能としている。ペーパーレス化はもちろん今回の能登半島地震を踏まえてリモートでの会議の必要性を強く感じている」という。
 3月16日に北陸新幹線が県内全線で開業した。「加賀地域としては首を長くして待っていたが、金沢開業から9年遅れで、ようやく県内全線での開業となった。新幹線の開業により、南加賀のホテル、旅館の宿泊者数が増えるなど勢いを感じる。これを契機に開業効果を県全体に波及させ、全国からの応援を力に、オール石川で被災地の復興を支える機運を高めていきたい」。
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 ぜんだ・よしひこ 金沢工業大学工学部土木工学科卒。能美市議会議員を経て2011年4月から県議会議員。体力維持のため、毎年白山登山と金沢マラソン(5回連続完走)を続ける。もう一つの趣味のゴルフは「議長職に専念するためしばらくあきらめようかな」と笑う。

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