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建通新聞社
2024/04/15

【大阪】阪神高速 名神湾岸連絡線整備に参画

 阪神高速道路会社の吉田光市社長は4月10日に開いた記者会見で、2024年度から直轄事業との合併施行方式で参画する名神湾岸連絡線の整備について説明し、「これから用地買収などに入る段階で、スケジュールについては不確定な部分もある」とした上で、「渋滞緩和や物流の効率化などに大きな効果が期待される路線だ。一体的に機能を発揮するため、大阪湾岸道路西伸部が完成するまでには開通させたい」と話した。同社は総延長2・7`のうち、2・4`の区間(兵庫県西宮市今津水波町〜西宮浜2丁目)を担当する。工事予算は500億円(税込み)を見込む。
 事業変更許可の内容によると、工事の着手日は、西宮市今津社前町付近(兵庫県道高速大阪西宮線接続部)と西宮市朝凪町地先から西宮浜2丁目までが28年4月、西宮市今津社前町から朝凪町までが31年4月となる見通し。32年3月31日の完成を目指す。道路規格はA規格ランプで、片側1車線、設計速度時速60`の計画。名神高速・阪高3号神戸線と5号湾岸線を接続する高架道路やインターチェンジ・ジャンクション(JCT)などを整備する。
 関連して、国土交通省近畿地方整備局は、名神湾岸連絡線西宮浜JCT4工区橋梁予備設計業務(簡易公募型競争入札方式)を第1四半期、名神湾岸連絡線地質リスク調査他業務(簡易公募型プロポーザル方式)を第2四半期にそれぞれ発注する。

〜2169億円の更新事業を事業化〜

 記者会見ではこの他にも、高速道路のネットワーク整備やリニューアルプロジェクトの進捗などについて説明した。
 淀川左岸線(2期)は、海老江地区と豊崎地区(開削トンネル・換気所・橋梁)の橋脚工事、桁架設工事、床版工事、掘削工事、トンネル本体工事などを実施しており、大阪・関西万博開催時には最終形に近い状態まで施工を進める。万博会場へ向かうシャトルバスのアクセスルートとしての整備は、大阪市からの受託工事を実施する。
 淀川左岸線延伸部では、豊崎地区で地中障害物撤去工事などを実施しており、トンネル部では有識者の助言を踏まえた設計検討の他、堤防・道路一体構造の安全性などを検討している。
 大阪湾岸道路西伸部では、新港・灘浜航路工区に架設する海上部長大橋について技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)で事業者の選定を進めており、9月ごろには決定する見通しだ。
 大規模更新・修繕事業では、新技術を活用した詳細な点検によって新たに更新が必要な箇所(延長22・4`)が判明し、2169億円の更新事業を新たに事業化。32号新神戸トンネル(延長7・8`)を対象に、高強度・高耐久なコンクリート系舗装への取り換え、防災設備などの更新、覆工コンクリート補修を行う。さらに、3号神戸線や5号湾岸線などの橋梁(延長14・6`)の大規模修繕を予定している。阿波座付近では、軽量で耐久性・排水性を持つ鋼製高欄への取り換え、深江浜付近では、Uリブを有する鋼床版へのSFRC舗装を行う。
 また、現在施工中の16号大阪港線阿波座付近縦目地構造の解消工事は、終日1車線規制の解除時期を今年の秋から6月に前倒しする。さらに、25年3月末の竣工を予定している14号松原線喜連瓜破付近橋梁架け替え工事についても、月単位での工期短縮を見込んでいる。

 提供:建通新聞社