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建設経済新聞社
2024/04/22

【京都】1〜3期で向日町競輪場を解体 再整備で施設集約、余剰地活用 屋内スポーツ施設建設へ

 京都府は、「自転車(サイクル)を通じて、交流・賑わいが循環(サイクル)する競輪場」をコンセプトに再整備を行う向日町競輪場について、老朽化施設の解体工事を本格化させる。
 解体の1期工事では、@西入場門A選手宿舎B渡り廊下Cハードケース保管庫D自転車置場E特席スタンドF通路1を解体する。
 解体の1期工事は、2月28日に公告。主な参加資格要件は、2社の特定建設工事JVで、▽解体工事業に係る特定建設業の許可▽解体工事の総合点が650点以上▽京都府内に主たる営業所を置く者▽国、地方公共団体等が発注する工事で、平成20年度以降に完工したRC造又はSRC造3階建以上の建築物の解体撤去工事の元請としての実績を有する者等。4月15日に開札し、福岡−大樹特定建設工事JVが3億6000万円(税込3億9600万円)で落札した。工期は令和7年8月29日まで。
 解体の2期工事では、@売店4棟AガイダンスB第1投票所C第2投票所D便所1E便所2F通路2G通路3H通路4I通路5J事務所K便所3L便所4Mその他附属建物N中央スタンドを解体する。第1四半期(4〜6月)に入札する予定。工期は15ヵ月。発注種別はその他。
 解体の3期工事では、@管理事務所A東改札所B警備室C第2警備分室D東休憩所E倉庫(電気室)F便所5G通路6H立見席I第5スタンドJ第4スタンドK通路7Lバンクを解体する。令和7年度10月頃に工事着手し、順次解体を進め、8年度10月頃までの完了を予定。
 再整備は、コンセプトを踏まえ、競輪場敷地全体を「エントランスゾーン」「管理・運営ゾーン」「観戦・投票ゾーン」及び「交流・賑わいゾーン」にゾーニングをした上で、各ゾーンにまたがって点在する老朽化が著しい施設を除却し、競輪場敷地内の全面的な再整備を実施する。
 スケジュールは、令和10年度までを再整備期間とし、11年度にリニューアルオープンを想定。老朽化施設の解体工事終了後、埋蔵文化財調査を実施し、その後各種の建築工事に着手。中央スタンドを解体するまでに場外発売時車券投票所を新築し、場外発売を継続。再整備期間中は、他の競輪場を借り上げて競輪を開催する。
 府は関連業務として、向日町競輪場再整備検討支援業務について、三菱UFJリサーチ&コンサルティング大阪(大阪市北区)と令和6年1月に随意契約した。内容は、向日町競輪場基本構想における検討項目の調整、同基本構想等を踏まえた募集要領等の策定に向けた検討について支援を行う業務。
 令和6年度当初予算の収益事業特別会計の競輪事業費として、施設再整備費の委託料に1億0500万円、工事請負費に6億5900万円を確保するとともに、向日町競輪場施設等整備基金積立金に3億0406万円を充当。また債務負担として、令和6年度向日町競輪場老朽化施設解体費に限度額7億6000万円を設定した(期間は令和6〜8年度)。
      ◇      
 府は、かねてから検討してきた屋内スポーツ施設(アリーナ)について、向日町競輪場での建設に向け、具体的な検討に入る。
 3月14日開催の2月議会の予算特別委員会の総括質疑において、西脇隆俊知事が答弁。整備候補地の京都府立大学下鴨キャンパス・体育館(京都市左京区)と京都向日町競輪場(向日市)について「双方とも整備地としてポテンシャルを有している」と述べた上で、「向日町競輪場基本構想に基づく競輪場再整備との相乗効果が期待できること、屋内スポーツとサイクルスポーツを含めた府内スポーツ振興における大きな拠点化が図られるなどを総合的に検討した結果、国際大会を誘致できる規模の屋内スポーツ施設については向日町競輪場に整備したいと考え、今後さらに専門的、技術的に検討を重ねながら、具体的に整備に向けた準備を進めたい」と考えを述べた。