徳島県測量設計業協会(水上博史会長)と徳島県県土整備部、農林水産部は、業務量の確保や品質の向上、働き方改革の推進に向けた意見交換会を徳島市内で開いた=写真。水上会長が「激甚化・頻発化する自然災害の脅威と懸念される南海トラフ巨大地震に備えた県民の安全・安心確保と利便性の向上に、社会資本のさらなる整備が肝要。県土強靱(きょうじん)化に向け、われわれが使命を果たすためにも安定的な業務量の確保に向け尽力いただきたい」などと訴え、▽業務量の確保▽品質確保・向上▽働き方の改善・生産性の向上の3項目について要望書を手渡した。
最初に業務量の確保について協会は、「激甚化する風水害や大規模地震への対策を担う次世代技術者の育成環境など、先を見据えた投資維持のためにも地域の建設関連産業の、経営基盤の安定化が欠かせない。業務量の持続的確保が重要な課題」と話し、県土強靱化・レジリエンス推進計画の着実な推進や県民の生命・財産を守り抜く道路、河川、護岸整備の推進、地籍調査をはじめとする事前防災の積極的推進などを求めた。加えて技術者単価の上昇を踏まえた県内企業への発注率を件数、金額とも90%以上の維持継続、専門性をより特化させるための測量調査業務の完全分離発注などを要望した。
続いて品質確保・向上の推進では、「多様な人材がその能力を発揮するためにも賃金や安全衛生など労働環境の改善に向けた取り組みが必要」と話し、適正な予定価格の設定や道路・橋梁などの点検業務における工種や単価の標準化と歩掛りの見直しなどの必要性を訴えた。さらに3月末納期限の設定緩和と繰越明許や債務負担行為の積極的活用と余裕期間型での発注推進の他、災害時に災害復旧測量設計業務に早期着手できる環境、制度構築などの緊急対応の充実強化も求めた。
働き方改革と担い手確保・育成では、「技術者の高齢化と新規入職者の減少が進み、若手技術者の確保と育成は喫緊の課題」と話し施工管理受託技術者の活用促進や徳島県インフラDX推進プランの着実な実施、調査点検技術における新技術の導入促進などを求めた。
これらの意見について県は、「県土強靱化に向けた品質確保や働き方改革の推進を一緒に進めたい」と話し、これら要望について県の取り組み状況や今後の方針を説明し、情報共有を図るとともに改善に向けた意見を交わした。
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建通新聞社