大阪府は11月27日、3回目となる都市基盤施設維持管理技術審議会の全体検討部会を開き、次期都市基盤施設長寿命化計画の最終とりまとめ内容を確認。策定に向けての答申案を審議した。2025年1月31日に行われる第3回審議会で答申する。基本方針には、持続可能な維持管理の仕組みづくりに向けた取り組みや効率的・効果的な維持管理の推進に向けた内容を盛り込む。
持続可能な維持管理の仕組みづくりでは、▽人材育成と確保、技術力の向上と継承▽データ蓄積・管理体制の確立▽現場や地域を重視した維持管理の実践▽維持管理業務の改善と魅力向上の在り方―などを盛り込む。
このうち人材育成では、設計・施工、点検・修繕計画の検討までのライフサイクルを理解し施設をマネジメントできる維持管理技術の習得に向けた人材の育成を検討する。
現場や地域を重視した維持管理の実践では、土木事務所や大学などと連携した「地域維持管理連携プラットフォーム」を活用した連携体制の強化や、市町村の維持管理の広域連携や包括委託化について検討する。
維持管理業務の改善については、試行中の地域単位での委託管理業務を包括的かつ継続的に契約する仕組みについて検証を進め、引き続き検討する。
この他、維持管理サイクルの充実として維持管理データベースの積極的活用やメンテナンスマネジメント委員会の充実を図る。
効率的・効果的な維持管理の推進では、▽点検、診断・評価の手法や体制などの充実▽施設特性に応じた維持管理手法の体系化▽重点化指標・優先順位の考え方▽日常的な維持管理の着実な実践▽長寿命化に資する工夫―を盛り込む。
具体的には、近接目視が困難な箇所の点検や業務効率化が図れる場合に、ドローンを活用することや、ドローンを活用する場合は近接目視と同等の水準を確保するため、施設の特性に合った活用方法を検討することなどを基本方針に盛り込む。
会議では、計画見直しの経緯を明記することや、長寿命化に資する工夫の具体例を示すことを求める意見があった。
提供:建通新聞社