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建通新聞社(神奈川)
2024/12/11

【神奈川】県 快適トイレの試行を開始 ゼロ県債から

 神奈川県県土整備局は、公共工事の現場での快適トイレの試行を開始した。11月補正予算案で発表した2024年度のゼロ県債分から適用する。建設現場を誰もが働きやすい環境に改善するための取り組みとして、県内業界団体からの要望に応えた形だ。
 対象となるのは、県土整備局が発注する土木工事と営繕工事で、特記仕様書を添付した工事。受注者希望型で基本的には全ての工事が対象となるが、現場のスペースが狭く快適トイレの設置が難しい場合には対象外となる。
 快適トイレは、▽洋式便座▽簡易水洗・し尿処理装置付き含む水洗機能▽臭い逆流防止機能▽二重ロックなど容易に開かない施錠機能▽照明設備(電源なしも可)▽耐荷重5`以上の衣類掛けなどのフック付または荷物置き場機能▽男女別の明確な表示▽入り口の目隠しの設置▽サニタリーボックス▽鏡付きの洗面台▽便座除菌シートなどの衛生用品―の11の必須項目を満たす必要がある。
 この他、推奨項目として、室内寸法900×900_以上、擬音装置、着替え台、臭気対策機能の多重化、窓など室内温度の調整が可能な設備、トイレットペーパー予備置き場など小物置き場を挙げた。
 設置費用に関しては、請求書や見込み費用が分かる書類などの提出を求め、実績に基づく共通仮設費の積み上げ計上として設計変更する。対象は賃料のみ。快適トイレの賃貸借契約とは別に冷暖房設備などを設置した場合、冷暖房設備の設置費用は計上できない。また、運搬・設置費用などは共通仮設費の率分に含み、別途計上は行わない。
 計上する費用は、快適トイレ1基につき実際にかかった月当たりの費用から1万円を差し引いた額で、月当たり5万1000円を上限とする。設計変更の上限は、男女別各1基ずつで1工事当たり2基まで、月に10万2000円。
 快適トイレの設置による工事成績評定の評価は行わない。
 県は、神奈川県建設業協会や神奈川県建設労働組合連合会などからの要望を受け、快適トイレの導入について検討。できる限り早期に試行を開始するため、ゼロ県債からの適用を決めた。
 県の技術管理課は、「多くの企業に活用してもらい、現場環境の改善に役立ててほしい」と話す。試行開始以前から、県の発注工事で企業努力として快適トイレを活用していた事例もあり、事業者から受け入れられる土壌があると判断したという。


提供:建通新聞社