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建設経済新聞社
2025/03/17

【京都】農業大学校及び農林水産技術センター、畜産センターを再編整備 学生寮改修など環境整備検討

 京都府は、農林水産業人材確保育成戦略(仮称)の最終案をとりまとめた。
 府における農林水産業の人材確保・育成に関する施策を効果的に推進するため、同戦略を策定するもの。
 戦略の取組内容の主なものをみると、農業では「農業大学校及び農林水産技術センター、畜産センターを再編整備し、多様な人材育成に対応できる教育研修環境や学生寮の改修など生活環境の整備を検討」、林業では「森林・林業科におけるスマート技術の習得の場や、研修科におけるオンライン開催等の参加しやすい環境の整備など、教育内容の充実」、水産業では「座学、実地研修の教育内容充実、若手漁業者を対象とした特別講義実施」などを盛り込んだ。
 農業大学校及び農林水産技術センター、畜産センターの再編整備等について、亀岡市の農林水産技術センターを綾部市の農業大学校隣接地に移転することに併せ、AI・ICT、ロボット等の最先端技術の研究や、気候変動・SDGsに対応したフィールド研究に学生が触れる機会を創出し、高度な知識・技術を駆使できる人材の育成につなげる。
 施設・設備の整備では、府試験研究機関の機能強化と連動した施設整備として、▽分野横断型産学公連携推進棟(新築)(分野横断的に使用できる共同実験室、アイデアを出し合う産学公交流エリア、貸研究室等のリエゾン機能など、分野横断型研究体制を構築するための集約化した執務室)▽実験棟(畜産センターを改修)(スマート技術の開発・実証を行うロボットセンター実験室、各研究機関の集約した実験室から構成される施設)を計画。
 上記と連動して、次世代の京都府農業を支える人材にとって魅力ある施設を機能別に整備する。主な内容は、▽教育棟(改修)(農学科の学生を対象に、高度化・複雑化する農業に対応した教育カリキュラムを実施することが可能な施設)▽研修棟(改修)(新たなカリキュラム等を実施するための高度化された教育環境に加え、研修科の学生を対象に、リカレント教育など、多様な担い手を育成するための基礎講座を実施することが可能な施設)▽専攻教室(改修)(京野菜等品目に応じた講座を実施することが可能な施設)▽農業機械研修室及び農業機械練習場(改修)(土地利用型作物のオペレーター育成を目的とした農業機械士養成研修のための施設及び牽引免許等の資格取得のための農業機械練習場)。
 また学生寮の改修について、社会人経験者や既婚者など入学希望者が多様化していることに併せ、全寮制を改め、自宅からの通学も可能とし、通学のための交通手段の確保や学生用の駐車場等の整備に向け検討。若者のライフスタイルの変化に対応し、プライバシーを保護するための個室化など、学生にとって魅力ある施設の検討を進める。
 戦略の計画期間は令和7年度〜11年度の5年間。
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 府は、農林水産技術センターの移転を見据え、同センターの現用地を将来的に売却する考え。
 土壌汚染状況調査を実施(農林水産技術センターにおける土壌汚染状況調査業務(試料採取等調査業務)は帝人エコ・サイエンスに委託)。また移転先の農業大学校・畜産センターの用水整備に係る調査等を実施する。