横瀬町は、八潮市での下水道管破損に起因する道路陥没事故を受けて、同町管理の下水道管路で実施した緊急点検の結果を公表した。腐食の恐れが大きい場所を対象として11カ所を検査。同町建設課は、結果について「緊急を要する異常などは確認されなかった」としている。
1月28日の陥没事故後に国土交通省が要請した緊急点検の対象となる規模の下水道管路施設は、同町にはなかったが、町が独自に対象を定めて2月5日に点検を実施した。
国交省が要請した対象は、流域下水道管理者が管理する1日当たり最大処理量30万?以上(晴天時)の大規模な処理場に接続する下水道管路施設で、管径2000ミリ以上のもの。
今回の緊急点検は、腐食の恐れが大きい町内全23カ所のうち、事故が起こる直前の2024年12月に点検して異常が確認されなかった12カ所を除く11カ所で実施した。
点検方法は、下水道管路で主に圧送管が埋設された道路の路面状況を目視確認したほか、圧送先マンホール内の目視点検やマンホール内の酸素濃度、硫化水素濃度の測定を実施した。町建設課の職員や、業務を委託している業者の専門家らが車などで見回った。
同町によると、町内の下水道管では、腐食環境や地震に強い材質を使用してきたという。主な材質は、自然流下管で、硬質ポリ塩化ビニル管やリブ付き硬質ポリ塩化ビニル管など。管径が100〜350ミリまで(主に150ミリ)。
圧送管では、ダクタイル鋳鉄管(内面エポキシ樹脂粉体塗装)や耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管などで、管径75〜150ミリ(主には75ミリ)。
同町では、法定の5年に一度よりも頻度を増やした3年に一度の間隔で、腐食の恐れが大きい場所の目視点検を行ってきた。同町建設課の担当者は「点検では顕著に劣化するなど特質すべきことは見当たらなかった。引き続き、事故を教訓にして、注視を続けたい」と説明している。
提供:埼玉建設新聞