日本工業経済新聞社(群馬)
2025/03/27
【群馬】県内市町村週休2日制アンケート
県内12市23町村に対し、週休2日制現場の導入状況について、アンケート調査を行った。県県土整備部では2017年度に試行を開始。さらに4月1日以降に起工する工事からこれまでの現場閉所による週休2日制現場に加え、交替制による週休2日制現場の試行を行う。県内ではこれまで広がりを見せてこなかった週休2日制の導入だが、全ての市町村が試行・導入を実施または予定すると回答した。一方で、工期の長期化や1件当たりの工事費が増大するなどの課題も浮き彫りとなった。
現在、週休2日制現場の試行または導入などに取り組んでいるのは◇前橋市◇高崎市◇伊勢崎市◇太田市◇館林市◇藤岡市◇富岡市◇安中市◇吉岡町◇下仁田町◇甘楽町◇中之条町◇嬬恋村◇草津町◇昭和村◇玉村町◇明和町−の8市7町2村。
伊勢崎市では土木工事で導入を行っており、建築営繕工事については4月から導入を予定している。富岡市は市独自の制度策定を行い導入することは考えていないが、県で導入されてから発注担当課において、必要に応じて予算を確保し、県の実施要領に基づき行っているとしている。中之条町と昭和村は試行的に導入しており、昭和村は25年度に本格導入する。
25年度に試行・導入する、または予定していると回答したのは◇沼田市◇渋川市◇榛東村◇上野村◇神流町◇南牧村◇長野原町◇東吾妻町◇片品村◇川場村◇みなかみ町◇板倉町◇千代田町◇邑楽町−の2市7町5村。4月以降に試行・導入する、または予定しているのは◇桐生市◇みどり市◇高山村−の2市1村。大泉町は25年度以降に導入を予定する。
導入の経緯について問う設問には、多くの市町村が国や県からの要請によるものと回答した。このほか「建設業界の担い手不足に少しでも貢献できれば」「建設業が取り組む週休2日制の定着や働き方改革を支援するため」といった建設業界に寄り添った意見も挙がった。
週休2日制の取り組みにおける課題として複数の市町村が「工期の長期化」や「1件当たりの工事費の増大」を挙げるなど、歳出の抑制が求められる昨今において、工事発注件数の減少とそれに伴う受注機会の減少が懸念される。このほか◇週休2日制現場の導入よりも工期の平準化のほうが重要◇達成状況等の確認の省力化や発注者側の事業スケジュールの見直し◇工事内容によっては週休2日を取りづらいものもある◇不落・不調になりやすい◇下請企業などで日給制の従業員が多いため、月給制への移行を推進していきたいが、現状はあまり変わっていない−などの意見があった。また、工期が1週間など、短い工事についての取り扱いや営繕工事などへも対象工事を広げていくか悩んでいるといった声も挙がった。