徳島県は、流域下水道事業経営戦略案を近く改定し公表する。計画期間は2025〜35年度の11年間。このうち旧吉野川浄化センターは水処理施設を増設して処理能力を増強、設備の改築更新などにストックマネジメントを導入する。現在の指定管理期間後、29年度以降を見据えて包括的民間委託や、PPP/PFIなどの指定管理制度以外の民間活力を検討することを盛り込んだ。
計画では25年度から改築と更新、26年度から増設に取り組む。災害に強い下水道の実現へ、大規模災害時の下水道機能維持や早期復旧に、計画的な施設の地震対策、不断のBCP見直しと実効性確保の訓練、災害時支援協定締結などによる被災時の受援体制確保、上下水道一体の災害対応体制構築、DXの推進などの施策を推進する。
経営基盤の強化では、下水道資源(下水汚泥、未利用地)の利活用の検討を進める。処理場は、流入量する汚水の増加に応じ、現在1系列日量1万1800立方bで運用している施設で、2系列目増設を計画。既存のコミュニティ・プラントは26年度に流域下水道へ統合予定だが、その他の汚水処理施設の統廃合とともに検討を進める。
維持管理費の縮減では、現在の指定管理期間の28年度までに、コンセッションやウオーターPPP(公共施設等運営事業やそれに準ずる官民連携方式)など、民間活力による管理運営の効率化を検討する。下水道施設の上部空間で太陽光発電導入なども検討する。
資本的支出の建設改良費は25年度2000万円、26年度7600万円、27年度6億6300万円、28年度21億0300万円、29年度10億7300万円、30年度3億5000万円、31年度5億6600万円、32年度3億7200万円、33年度1億2900万円、34年度1億5200万円、35年度4300万円と試算している。
経営戦略の改定内容は水処理施設増設とストックマネジメント計画が中心。事業は基本的に県が終末処理場と幹線管渠の整備、管理運営を担う。市町は面整備により幹線と各戸を管渠でつなぐ。
現指定管理者の旧吉野川流域下水道管理運営共同事業体は、徳島県建設技術センター、テスコ(東京都千代田区)、徳島県環境技術センターで構成する。現在の指定期間は24〜28年度。
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建通新聞社