川口市は2025年度当初予算で編成した3カ年継続費総額131億3434万3000円を充て「(仮称)神根総合運動公園」を整備する。現在の神根運動場(神戸767−1ほか)機能を再編しつつ、敷地内に新たな北スポーツセンター・神根西公民館を建設。県側が整備する屋内50m水泳場と連携した施設を設けて同運動場を総合運動公園として再整備する計画となる。県施設の完成時期と整合を図って、市側の工事を進めていく。
神根運動場とその周辺地では野球場やサッカー場、ターゲットバードゴルフ場などを有するほか、当初は北スポーツセンター(以下SC)と神根西公民館の複合施設が立地していた。
同運動場内で県側が屋内50m水泳場を整備することに伴って、市側が運動場全体の再整備と北SC・神根西公民館建て替えを行う。県側の施設と連携することで、同運動場を市民から広く愛される総合運動公園として再整備する計画となる。
現場では北SCと神根西公民館の解体を終え、県側の屋内50m水泳場整備が進行中。さらに市側が雨水貯留施設の整備を2工区に分けて実施している段階だ。
25年度当初予算が可決されたことを受けて市側の施設整備を本格化させる。実際の発注ロットは調整を進めるが、大枠としては「新たな北SC・神根西公民館整備」「総合運動公園整備」の2工事を進めていく格好。
まずは北SC・神根西公民館の建設工事を発注する予定。県側の水泳場供用開始時期(27年7月予定)と時期を合わせられるよう、可能な限り早期の工事発注を図る。工事規模から契約は議会案件に当たるとみられる。
県施設と一体施設となるよう市民大会や中学生の大会などを開催できるスポーツ拠点(体育館など)を整備しつつ、地域交流の拠点となる公民館を併設する。県側の施設とおおむねの高さを揃えて、屋根を県施設と同方向のアーチ形状とすることで2施設に一体感を持たせるイメージだ。
25年度当初予算では、北SC・神根西公民館建設事業に3カ年継続費総額66億2908万4000円を編成した。年度ごとの内訳は▽25年度=26億2519万6000円▽26年度=34億8388万8000円▽27年度=5億2000万円――。
北SC・神根西公民館改築の実施設計は、大建東京事務所(品川区、電話03−5424−8602)が手掛けた。
こうした工事に加え、神根運動場を総合運動公園に再整備するための工事も進める。北SC・公民館改築とは別途で運動公園整備に3カ年継続費65億525万9000円(25年度・16億2143万3000円、26年度・25億474万円、27年度・23億7908万6000円)を組み込んだ。
総合運動公園全体の面積は、現在の神根運動場(約11・9ha)、神根公園(約2・7ha)、北側用地(約1・95ha)を合算した約16・55haとする計画。総合運動公園整備工事は、そこから県側施設および北SC・神根西公民館の建設地に充てる範囲を除いた部分を対象とする見通しだ。
対象範囲全体の造成などを進めていき、最終的には公園内に「運動施設1〜4」「駐車場」を整備しつつ、さらに園路や広場、植栽などを設ける計画だ。運動施設はそれぞれに厳格な用途を定めず、多目的に活用できる施設とする方向。
工事の発注方法までは固まっておらず、一括発注や工区分けなど最適な方法を調整していく。発注ロットにもよるが、基盤整備に当たる「雨水貯留施設整備」が25年度末の完成を見込んでおり、同工事の完了後に総合運動公園整備を本格化させる流れとなりそうだ。
神根総合運動公園整備実施設計は建設技術研究所関東事務所(さいたま市、電話048−835−3501)が手掛けた。
県側の施設完成、市側の北SC・神根西公民館改築と運動公園整備までを終えて「神根総合運動公園」を供用させる見通しとなっている。
提供:埼玉建設新聞