野洲市は、老朽化が著しい野洲文化ホールの大規模改修を計画している。ホール機能の効率的な運用を図る文化施設集約事業の一環として取り組む。現在、設計業務を進めている段階。工事発注にあたっては今後、補正予算で事業費を確保し、2025年度(令和7年度)下半期から着工する見込みだ。
野洲文化ホール(野洲市小篠原2142)の施設規模は、RC造(一部SRC造)3階建、延5100平方b(大ホール1000名・小ホール100名収容)。開館後40年以上が経過し設備等の老朽化が顕著であり、継続利用が困難な状態であるため4月から休館し、改修工事に向けた備品移設等の準備作業を行う。
工事内容は、舞台機構、照明・音響設備、客席およびトイレ等のバリアフリー化と併せ、吊天井等の大規模改修を実施する意向。26年度(令和8年度)末に完了させ、27年度(令和9年度)のリニューアルオープンを予定している。
市内の文化3施設(野洲文化ホール・野洲文化小劇場・さざなみホール)の集約化方針に基づき計画。重複した3施設を野洲文化ホールの1施設に集約する。野洲文化ホールに隣接する野洲文化小劇場(野洲市小篠原2142)は、25年度末で閉館し、26年度に施設解体工事を行う予定。対象規模は、RC造(一部SRC造)2階建、延1121平方b(300名収容)。
設計業務(野洲文化ホール〔大規模改修工事〕・野洲文化小劇場〔解体工事〕)は、水原建築設計事務所(彦根市)が担当。野洲文化ホールの改修内容、工期等について検討している。
さざなみホール(野洲市比留田3313―3)の施設規模は、SRC造3階建、延3477平方b(500名収容)。24年(令和6年)12月27日に閉館した。集約化方針では解体工事を予定していたが、文化施設としてのホール機能は廃止したうえで、施設を解体せず改修(リノベーション)し、用途変更により利活用を図ることになった。館内には、若い世代からのニーズが高い全天候型の子どもの遊び場(屋内木製遊具施設)などを整備する考え。子育て支援や農作物の販売ができる機能の導入などで有効活用を図る検討を25年度に進める。
市の25年度一般会計当初予算の企画調査推進費には、さざなみホールリノベーション検討事業費17万7千円を盛り込んでいる。
なお、3月25日に開かれた野洲市都市経営審議会の24年度第2回会議において、25年度における審議事項について報告された。その中で市では、文化施設の集約化により機能を廃止した「旧さざなみホール」の建物を活用して地域交流拠点の整備を進めていく方針を示した。この活用方策について、25年度の1年間をかけて市民との対話により検討を進め、整備方針を決定したいと考えており、審議会では外部有識者としての視点から、地域の拠点として求められる施設のあり方や、市全体を俯瞰した施設の配置といった事項について助言を得たいとしている。
25年度の審議会開催スケジュール案のうち、旧さざなみホールを活用した地域交流拠点の整備検討については、6月頃の第1回会議で、民間事業者サウンディング、市民懇談会開催に向けた論点整理を予定。その後、市は、サウンディング等による民間事業者からの情報収集や意見交換、市民懇談会等における市民との対話により、整備する機能や運営手法等を検討。そして、11月頃の第2回会議で、サウンディング、市民懇談会の結果を踏まえた整備方針案の整理を予定している。
提供:滋賀産業新聞