竜王町は、「交流・文教ゾーン」公園基本設計(案)をまとめた。町コンパクトシティ化構想に基づく中心核整備において、造成工事中の同ゾーン内に、新たな公園の整備を計画。今後、2025年度(令和7年度)に実施設計、26・27年度(令和8・9年度)に公園整備工事を進め、27年度(令和9年度)の開園を予定している。
現在、町にある公園等については、町域の周辺部に「竜王町総合運動公園」、「妹背の里」、「竜王町農村運動広場」および隣接2市にまたがる「県立希望が丘文化公園」の4ヵ所がある。その他、各集落・住宅団地ごとの小規模公園(広場)はあるものの、子どもから高齢者までの町民の多様な交流が図れるような、多目的に使える一定規模の公園は整備されていない。また、「子ども同士の交流」という視点で見ると、少子化が進む中、集落ごとの公園(広場)では、同年代の子どもが同じ集落内にいないことで子どもたちが集団で遊ぶことが難しくなっている。
町コンパクトシティ化構想では「健康で多世代が交流できるにぎわい空間の創出」、「安全安心な防災機能の向上」等を目標としており、「交流・文教ゾーン」は子どもたちが利用する施設が集約され、多くの人が集まるようになることから、子どもたちが集団で遊び、保護者同士が交流する場としても、中心核を訪れる人々が自由に活動し多世代が交流を深められる場としても適している。また、災害時における避難場所として防災機能を備え、ゾーン全体の防災力を高めるため、新たに公園を整備する。
公園の位置は竜王町綾戸1066他の敷地面積約1万5800平方b(内調整池約5200平方b)。
基本設計(案)における整備方針によると、『遊び・感性育む あそびの広場』では▽園児や児童が保護者、友達と利用することを想定し、駐車場に近い北側に遊具広場を設ける▽円形状のあそびの広場は、周囲から見守りやすく、インクルーシブ遊具やシンボル性のある遊具を設置し、多様な年齢と遊びを許容するアイテム配置とする▽混雑しにくく、見守りやすい環境となるように複合遊具や単体遊具を線状に配置する―。
『多様な場面で使いやすい 原っぱ広場』では▽芝生の広場は、パノラマに広がる山と田園風景を借景として、子育て世代をはじめ多世代で日常遊びや、イベント利用、災害時にも利用しやすい広場とする▽ベンチや植栽等は広場外周部のみに設け、平坦でシンプルな広場とし、ビューポイントとして魅力的な空間とする―。
『個性を持たせた 小さな広場』では▽築山広場=地形もあそびのアイテムとして、人工芝の築山は、幼児が全身を使って遊べるようなもう一つのあそび場とする/周囲に設置するウォールベンチは見守る保護者の休憩場所であり、幼児が外に出ていかないような壁代わりとしても機能する▽こかげ広場=大きなケヤキの樹冠は日陰を提供し、その下にある大きな縁台ベンチはひとりで落ち着いたり、地域の人々が集まって交流もできる魅力的なスペースになる▽デッキ広場=どんぐりのなる木を植え、遊具だけではない自然の遊びを体験できるようにし、幅広い縁台ベンチでは、その上で遊べて、イベント時ではステージにする等多様に使えるようにする―。
『交流を生み出す 出会いの広場』では▽敷地南側に幅の広いエントランスを設け、利用者を公園へと誘導する▽エントランスには、シンボルツリーと周囲を囲むウォールベンチが待ち合わせや交流の場となる―。
『見守りにもなる 憩いの丘』では▽あそびの広場に隣接する位置に丘を設け、ウォールベンチを並べる▽雪野山を眺めながら落ち着ける場所や、子どもの見守りにも有効な場所とする―。
『安全・安心な プロムナードとエントランス』では▽公園に誘導する幅広いプロムナードとキッチンカー等による賑わいの空間とする▽備蓄倉庫、マンホールトイレ、防災井戸等災害発生時の支援場所とする―。
このほか、防災機能として、「交流・文教ゾーン」公園においては、避難者のテント泊用スペースの他、防災備蓄倉庫、マンホールトイレ、防災井戸等の防災関連施設を設け、適宜使用できるようにする。
基本設計業務(24年度〔令和6年度〕)は、キタイ設計(近江八幡市)。なお、町の25年度(令和7年度)当初予算には、実施設計業務2671万円を盛り込んでいる。
提供:滋賀産業新聞