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滋賀産業新聞
2025/04/09

【滋賀】野洲市 中期財政見通しを策定

 野洲市は、中期財政見通し(2025〜29年度〔令和7〜11年度〕)を策定した。向こう5年間の財政運営の方針とするもの。歳出においては25年度(令和7年度)以降、北野小学校や野洲文化ホールの大規模改修、水防活動・賑わい創出拠点施設であるMIZBE(ミズベ)ステーションの整備を見込むほか、JR野洲駅南口の周辺整備や、さざなみホールのリノベーションを推進。また、30年度(令和12年度)からは現クリーンセンターの基幹改良などの大型投資事業を控える。
 歳出の主な性質別の概要と今後の見通しをみると、義務的経費の公債費は、投資的事業の実施により増加の見込み。投資的事業の優先順位を明確にし、全体事業を見極めることで公債費の抑制や効果的な事業の選択等が必要。一般行政経費の維持補修費は、経費抑制に努めているため、増加は見込んでいないが、公共施設の老朽化が進むことから、効果的な管理手法の検討や既存施設の統廃合による経費の縮減が必要。
 公共施設の改修・更新やインフラ整備等が該当する投資的経費は、23年度(令和5年度)に大きく増加しており、25年度(令和7年度)以降にも、北野小学校や野洲文化ホールの大規模改修事業、MIZBEステーション整備等の事業を見込んだところ、引き続き比較的高い水準となることから、事業規模を十分に精査し年度間でのスケジュール調整で対応することとし、施設の統廃合を積極的に進める中で経費抑制を行うことが必要としている。
 市では、これまで諸課題を解消するため、学校の耐震化、余熱利用施設の整備、コミュニティセンターの大規模改修などの大型事業について積極的に取り組むために、財政調整基金の取崩しや市債の活用を行ってきた。
 今後の財政見通しについて、歳出では大きなウエイトを占める人件費、扶助費、物件費等は社会情勢上抑制しづらい傾向にあり、また、老朽化が進む施設への対応等の投資的経費が今後も継続的に必要となることから、歳出が歳入を上回る見込みとなり、収入の不足を補うために財政調整基金やまちづくり基金を取り崩す必要がある。
 さらに、野洲駅南口周辺整備や、さざなみホールリノベーション事業等の今後、推し進める事業も控えており、25年度(令和7年度)以降の投資的経費増加に伴い、起債残高も高い水準で推移し、実質公債費比率と将来負担比率は共に悪化する見込み。また、30年度(令和12年度)からは現クリーンセンター基幹改良事業等大型投資事業も控えており、今後も財政運営は厳しい状況が続く。
 これらのことから、歳入においては、国・県の補助金や地方交付税措置の有利な市債の活用により一般財源の負担を減らすこと、歳出においては、経営的な視点で業務や施設の現状把握と課題整理を的確に行い、市民のため、まちのために必要な事業として改善や再構築(スクラップ・アンド・ビルド)を念頭に、行財政改革の取組を着実に進め、ふるさと納税制度による寄附金に過度に頼る財政運営から脱却し、健全な財政運営に取り組んでいく。

 中期財政見通しは、普通会計(一般会計〔介護予防支援事業等を除く〕、墓地公園事業特別会計、基幹水利施設管理事業特別会計)が試算の対象。過去の決算状況を参考に、25年度(令和7年度)当初予算時に想定される社会制度、施策等を踏まえ、普通会計ベースで推計。主な歳出は次の通り。

 《25年度》
▽維持補修費=8000万円
▽投資的経費=31億8780万円

 《26年度》
▽維持補修費=8000万円
▽投資的経費=51億9460万円

 《27年度》
▽維持補修費=8000万円
▽投資的経費=35億1430万円

 《28年度》
▽維持補修費=8000万円
▽投資的経費=15億8930万円

 《29年度》
▽維持補修費=8000万円
▽投資的経費=12億6850万円

提供:滋賀産業新聞