京都市の松井孝治市長は8日、京都駅東南部エリアにおける市有地の活用に係る契約候補事業者として、泣Jイカイキキ(代表取締役村上隆氏、東京都港区)を選定したと発表した。
対象の土地は京都市南区東九条南河原町13−1の地積1572・60u(実測)。JR京都駅八条口から約900m、京阪・JR東福寺駅から約400mに位置する。公法上の主な規制として、用途地域は近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)、高さ規制は20m第4種高度地区。
公募型プロポーザル方式(総合評価方式)で活用に係る契約候補事業者を選定するにあたり、活用事業者を募集した結果、申込は同社のみ。
同社の提案は、アート作品の創作拠点となるスタジオの設置。規模はS造3階建(高さ19m)、延2723・17u(建築面積1293・84u)。
審査の結果、得点106・4点(121点満点)を獲得した同社を選定した。評価された点は「事業計画の安定性・実現性が高く、京都駅東南部エリア活性化方針に基づいた同エリアの更なる発展や、文化芸術気運の醸成に寄与される提案」「市内芸術系大学や専門学校の学生の雇用機会の創出に加え、今回の整備を足掛かりに制作拠点を京都に移す予定とされていることから、更なる経済効果も期待できる」「市立芸大に近く、学生など若手芸術家の制作活動の良い刺激になる」。
同社の買取希望価格は、京都市の設定した最低売却価格(予定価格)と同額の3億0630万円。
松井市長は「(京都市京セラ美術館で昨年開催した)村上隆氏の『もののけ 京都』は45万人という記録的な来場者となった。村上隆氏のアート作品の制作を行うためのアートスタジオ『カイカイキキキ京都スタジオ』が整備され、約50名のスタッフが勤務する。計画から施工にあたって市内事業者を積極的に活用いただく」などと述べた。コンサルティングは樺井商店、設計は東洋設計事務所梶A施工は潟~ラノ工務店、資金は京都中央信用金庫、京都信用金庫が担当。
今後は、令和7年度中に売買契約を締結し、7年度に建築工事に着工、8年度に竣工、スタジオでの制作活動開始を予定。
プロポの担当は京都市都市計画局住宅室すまいまちづくり課。