トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2025/04/10

【神奈川】県 県庁本庁舎の修繕実施方針策定へ

 神奈川県は、県庁本庁舎のリニューアルに向けた修繕実施方針を2025年度末ごろに策定する見通しだ。本年度に委託した劣化調査の結果を踏まえ、改修の内容や規模、スケジュールなどを文化庁と協議しながらまとめる。設計は26年度から2カ年程度を予定。工事は28年度以降となる想定で、仮移転を繰り返しながらいくつかのブロックに分けて進める。
 本庁舎は1928年に竣工。鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建てで、塔屋は9階。延べ床面積は1万8323平方b。老朽化が著しく、壁や天井の塗装の剥がれ、床の破損などがみられる。過去には組織改編に併せたレイアウト変更や設備機器の更新などを行っており、間仕切り壁のビス孔や機器類を撤去した跡が残っている。廊下や階段では漏水が発生、給排水管や設備の劣化も進んでいる。
 職員が働きやすい執務環境を確保するとともに、重要文化財としての価値を保つため、庁舎全体のリニューアルを計画する。本年度は基礎調査を大林組(東京都港区)に委託しており、庁舎の内装や外構全体の劣化状況を調査する。天井や壁、床、建具などを目視で調査し、既に劣化状況を把握している設備と併せて修繕に向けた検討に生かす。
 本庁舎の重要文化財としての保存の方向性をまとめた「重要文化財(建造物)保存活用計画」と修繕の内容などを示した「修繕実施方針」をそれぞれ策定する。保存活用計画はこれまでにも取りまとめの作業を進めてきたが、新たに修繕の内容を反映して修正する。創建当時の本庁舎の姿を守りつつ、庁舎としての機能も維持することを目指して、部屋や部位ごとに部材の保存、補修、更新といった保護の方針を示す。策定に当たっては文化財建造物保存技術協会(東京都荒川区)が助言や指導を行う。
 修繕実施方針では改修の内容や規模、スケジュールなどを定める。文化庁と協議しながら、25年度末ごろから26年度初頭にかけての策定を目指す。
 民間活用手法は導入しない予定で、早ければ26年度から設計をまとめる。工事は28年度以降を想定しており、仮移転しながら3〜4カ年かけて進める。
 現時点では内装や共用部のクラック、外構などの補修、設備の更新、窓ガラスの断熱化、汚水ポンプの新設などを計画している。
 神奈川県庁本庁舎の所在地は横浜市中区日本大通り1。

提供:建通新聞