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建通新聞社(神奈川)
2025/04/09

【神奈川】横浜市内の病院で耐震化進まず

 横浜市内にある大規模民間建築物のうち、震度6強以上の地震で倒壊・崩壊の危険性が「高い」または「ある」と診断された病院の耐震化が進んでいない。市が公表している「要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果」によると、病院・診療所で耐震性が不足していると判定されているのは7施設。横浜中央病院や横浜保土ケ谷中央病院は建て替えの意向を示しているものの、実施時期が未定のままの状況が続いている。
 耐震改修促進法で耐震診断が義務付けられた市内の大規模民間建築物は現時点で86施設ある。用途別では病院・診療所が13施設あるうち、耐震性が不足しているのは▽横浜中央病院▽横浜掖済会病院▽横浜保土ケ谷中央病院▽横浜旭中央総合病院(A棟)▽大倉山記念病院(A棟・C棟・E棟)▽長津田健診・透析クリニック(本館棟・内視鏡棟・新館棟・廊下棟)▽昭和大学藤が丘病院(B棟)―の7施設。
 耐震診断結果を初めて公表した2017年3月と比べると、最新の24年9月現在で2施設減った。
 病院ごとの対応をみると、昭和大学藤が丘病院では再整備計画に進展があった。昭和大学が個人施行の土地区画整理事業を実施して、既存病棟を稼働しながら病院を建て替える計画。3月の都市計画審議会で都市計画変更について了承を得た段階だ。
 一方、残りの6施設については動きがない状況。横浜中央病院と横浜保土ケ谷中央病院は建て替え、横浜旭中央総合病院は耐震改修を実施する意向を示しているものの、具体的な時期は未定。この他の病院については、耐震診断以降、対応が決まっていないままとなっている。
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 耐震診断を義務付けている「要緊急安全確認大規模建築物」の定義は、旧耐震基準で建てられた不特定多数の者が利用する建築物や、避難確保上、特に配慮を要する者が利用する建築物、もしくは、危険物の貯蔵場または処理場のうち大規模な建築物。病院・診療所では「階数3以上かつ5000平方b以上」が対象となっている。
 市では、耐震診断・設計・工事の各段階で補助金を交付している。改修工事については、25年度から単価を引き上げて対策を促している。

提供:建通新聞