福島大学は、今年度から3カ年で大学構内に水素エネルギー総合研究所の本棟、研究・分析棟を整備する。9日の定例会見で宗像鉄雄同研究所長が示した。
本棟は金谷川団地構内の理工共通棟隣接地に、3階建て延べ約1050uで新設する。バイオマスから水素・炭化物を製造する先端的研究開発のほか、産学官金のコワーキングスペース(講義室、実験室、会議室、フリースペース)を設け、水素利活用システムの開発、人材育成プログラムの実施を予定している。
今年度に設計を行う予定で、入札時期や方法は検討中。2026年度の着工を目指している。
研究・分析棟は、理工共通棟(RC造平屋約400u)を改修して整備する方針。26年度に設計を行い、27年度にも着工する。先端的設備を活用した水素製造や、水素キャリア・材料に関する次世代型研究開発などを行う。
県や関連企業、研究機関等との連携による「バイオマス由来水素・炭化物製造システムが導く地方創生」事業(25〜34年度)の一環で整備する。
同事業では小規模地産地消型のバイオマス由来水素・炭化物製造システムを確立し、水素と炭化物の安定した供給モデル構築を目指す。「バイオマス×水素×炭化物」の共同研究を進め、最終的に実用化規模のプラントを需要のある工場近辺に設置し、配送コストを削減した地産地消ビジネスモデルを実現。県全体への水平展開につなげる。
(提供:福島建設工業新聞社)