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建通新聞社(中部)
2025/04/14

【愛知】名駅再開発 わかりやすさ¥d視の再整備

 名古屋鉄道(名駅)が進める名古屋駅地区再開発計画では、新ビルの建設とともに、名鉄名古屋駅の再整備を実施する。線路数は現在の2線から4線へと倍増し、中部国際空港への専用ホームなど、行き先別にホームを大別する。同社は3月の会見で、再整備後の名鉄名古屋駅についてわかりやすさ≠協調。誰にも使いやすく、利便性の高い駅を目指すとした。
 再整備では、4線化と空港専用ホーム設置の他、ホームドアの設置やホーム・コンコースの拡張、バリアフリー化などを計画。市が整備する広場「ターミナルスクエア」を介して、開業予定のリニア中央新幹線など、各交通機関とのスムーズな乗り換え実現を図る。また再整備に当たり、笹島交差点付近への改札口の新設も計画。名駅南地区へのアクセス性を向上させることで、周辺の活性化を図る。
 名鉄名古屋駅のホームは3面2線構造。大都市のターミナル駅としてはまれな通過式の駅となっており、電光掲示板や床に敷設した案内線などにより、利用者を乗り場へ誘導している。一方、利用者と発着本数の多さがホームの空間的余裕と見合っておらず、不慣れな利用者が乗り場へたどり着けないとして、一部で迷駅≠ニやゆされているのも現状だ。
 この解消を目指し、今回の再整備では4車線化によりホームを行き先方面別に分類。利用者の多い中部国際空港へは、専用の「空港アクセスホーム」を設置する。ホームやコンコースを拡張することで空間的余裕を生み出し、安全性と、大規模災害時の対応力向上を目指す。
 名鉄が3月に示したスケジュールでは、再整備は新ビルの建設と同じく2027年度に着工。新ビルがオープンする33年度に、1期リニューアルとして2線分を開業する。4線化は、新ビルが全面開業する40年代前半となる見込みだ。
 名鉄は今回の再開発に当たり、名鉄名古屋駅を「地域交通拠点」として再整備していきたい考えを示している。愛知県や名古屋市は、今回の再開発やリニア中央新幹線の開業などと合わせ、名古屋駅を「スーパーターミナル化」する方針を示しており、その要請に応える形だ。
 現在の名鉄名古屋駅の構造は、迷駅とやゆされる一方で他にない風景となっており、再整備よる変化をさみしがる声も聞こえる。ただ、今後も名古屋エリアが発展を続け、国内外からの人流を加速させるためには、今回の再整備は、避けては通れない道ではないだろうか。一連の再開発計画により、名古屋駅周辺だけでなく、中部エリア全体の不動産開発が活性化することを期待したい。


提供:建通新聞社