県産材の利用拡大に向けて、運送業のトラックの荷台に着目した、新しい動きが始まった。
荷台の底部で、クッション役を果たす「床板」の素材を、現在のアピトンやアカシアの南洋材から、県産材のスギへ切り替えるという内容。
4日、福井市上細江の北陸トラック運送(水島正芳社長)本社において、お披露目会が開かれた。
ふくい県産材協同組合(佐々木敬三代表理事)が事業主体となり、県産材の新しい販路を求め、今回の試験導入に至った。
スギ材の弱点である「柔らかさ」の克服については、建築資材業のナイス(本社・横浜市)が協力。独自技術でスギの表層を圧密し、広葉樹に等しい固さを実現(材料名Gywood)している。
佐々木理事長は、今事業を軌道に乗せ「日本中に、ふくいの木を売っていきたい」と販路拡大に力を込めた。
【導入の内容】
■県内では初導入 11tトラック5台
■1台あたり、スギの丸太3.3立方メートルを使用し、圧密後の原板の材料で0.45立方メートル使用(末口30cm以上の丸太の赤身部分を使用し、圧密材用の製材歩留まりは約35%)
【製作の背景】
■スギの人工林資源が充実し、伐って使って植える、資源の循環利用を推進
■人口減など今後の住宅需要は減少するため、新たな木材の需要先の確保が必要
■原木の価値に応じた需要の創出が必要。スギの大径材を利用し、付加価値の高い製品を生産