高知県は、2025年度の入札・契約制度の変更点をまとめた。総合評価方式で生産性向上の取り組みとしてICT活用工事の加点項目の見直しや、県内の防災力を高めるため災害復旧工事の受注状況に応じてインセンティブを付与する他、CCUS(建設キャリアアップシステム)事業者登録の評価を新設。業務委託では、高知県との災害協定の有無による地域貢献度を改定する。
総合評価方式の主な評価項目・評価基準の変更は、技術力評価項目で生産性向上の取り組みとして、ICT活用工事を推進するため、先進的な取り組みを評価する。「同一工種の実績」を取り止め、設計図書で指定されたICT活用工事を「当該工事での実施」に5点、それ以外は0点となる。対象はこれまでの1億2500万円以上から1億円以上に変更する。
地域性・社会性評価項目では、県内の防災力の向上を目的に災害復旧工事の受注状況に応じてインセンティブを付与する。高知県または当該工事を所管する土木事務所や所内事務所との災害協定の締結、災害時緊急対応実績(緊急発注)を評価対象とし、地域に根ざした建設業者を評価する。「災害復旧工事の受注実績2件以上」「災害協定の締結」「災害時緊急対応実績1件以上」のいずれかに該当する場合5点、「災害復旧工事の受注実績1件」は2・5点を加点する。
また、CCUS(建設キャリアアップシステム)事業者登録の評価を新設する。登録している場合5点、未登録は0点となる。対象は1億2500万円以上の工事。
その他、配置予定技術者が産休育休を取得した場合、その期間を同種・類似工事の評価対象期間に追加する。また、現場代理人が育児休暇を14日以内の期間で取得する場合に限り、当該工事現場に精通した代理の技術者を事前に書面により提出することで、「現場代理人変更届」や各種書類の変更を省略できる。
今後の評価基準として、「ワークライフバランス推進企業認定」の新設を検討しており、25年度を周知期間として26年度から運用を開始する。
委託業務での主な変更は、企業評価項目の地域貢献度で、高知県との災害協定の有無について、知事名での災害協定の他、部長名や県内出先機関長名の災害協定も対象とした。同種・類似業務の成績評点については、対象業務を高知県発注業務または国土交通省発注業務(四国地整管内)とし、成績評価点79点以上は10点、79点未満から71点以上までは2点ごとに区分し配点は各2点、71点未満は0点とする。
管理技術者評価項目で評価対象とする資格を増やすことで競争性を確保することを目的に、技術士またはRCCM資格ありは5点、国土交通省大臣の認定を受けている者または地質調査技士の資格ありは3点を加点する。
また、RCCMでのCPDの推奨単位がコロナ禍の影響時(150点)から通常の200点に戻るため、評価する単位(ポイント)を段階的に引き上げる。150単位以上は5点、それ以外は0点となる。
手持ち業務量の評価による落札への影響が多いことからウエートを下げ、国土交通省の入札参加基準の10件を上限とする。手持ち業務量0〜1件5点、2〜3件4点、以降2件ごとにマイナス1点の配点となり、10件以上は0点とする。
提供:
建通新聞社