京都府の令和6年度包括外部監査報告書について、主な内容をみると、旧平安会館職員宿舎用地(京都市上京区室町通中売立下ル)について「京都府所有の土地活用の検討に際して、府所有の土地単独活用の検討と隣接する平安ホテルと一体活用の検討の両方の場合で考える」とし、「旧平安会館職員宿舎用地は、京都府が所有する1024・17uの土地であり、地方職員共済組合に対して無償貸与されている。地方職員共済組合は、無償貸与された当該土地に職員宿舎、所有する5100・06uの土地に平安ホテルを建設し、両者を一体的に運営してきたが、令和5年3月に平安ホテルが閉鎖となった。こうした中、京都府において当該土地の今後の利活用について検討を続けてきたが、隣接する平安ホテルの土地と建物の所有者が地方職員共済組合であるため、当該土地の活用方法を考えるに際して、平安ホテルの土地と一体的に検討するか否かで方向性が変わってくる。平安ホテルに関しては、令和3年度に地方職員共済組合京都府支部が平安ホテル経営継続の可否を主旨とした『あり方検討会』を開催しており、その中で『売却での資金確保は簡単だが、京都市内でこれだけの土地の物件が出ることは極めてまれである。公的団体しか維持管理ができない土地であり、地方職員共済組合として求められる売主責任を意識し、所有権を留保し周囲の環境を含め資産価値の向上につながるような方策を検討されたい』との発言が記録されている。また、文化的な面から見て、世界的に有名な日本庭園(大正11年頃に庭師の七代目小川治兵衛によって大改造をされたもの)を維持・存続することは大きな意味を持つものであり、経済的な価値と法的な制約から見ても、当該土地と平安ホテルの土地の一体的な活用を考える方が有益であると考える。以上のことから、京都府が地方職員共済組合の所有地を取得し、将来的な行政需要に備えることが重要と考えられることから、可能な限り早期に京都府が地方職員共済組合の所有地取得の可否を検討すべき」と提言した。
京都府地球温暖化防止府民プラザ(京都市中京区西ノ京内畑町41−3)については「敷地面積1374・86uにS造平屋建の建物243・46uを有し、2団体に貸付けを行っており、2団体とも事務所としての使用。貸付先からの施設利用収入は年間235万3000円(令和5年度実績)であり、不動産の想定時価から勘案すると相当低い収入額であり、施設の配置も含め、土地の有効活用という面で極端に利用頻度が低い状態。さらに施設を事務所として利用しており、外部者の利用が比較的少なく、地球温暖化防止対策を担う組織として自動車の利用が限られるため、駐車場の利用頻度も低い状態。また府民利用が少ない施設であり、貸付先は、当該施設を使用して業務遂行する必然性はない。代替施設への移転も比較的容易と想定される。財源確保の観点から、貸付先の移転・建物解体後に、土地の賃貸や売却等について検討すべき」と提言した。