県が25年度から試行導入する総合評価落札方式の「チャレンジ型」で、第1弾となる「岩手県立一戸病院照明器具改修工事」が18日付で医療局から公告された。チャレンジ型は、実績による評価を緩和するもので、評価項目の中から工事成績評定や配置予定技術者の施工経験などを評価対象外とする。
チャレンジ型は、県営建設工事の入札件数が減少する中、施工実績の有無により受注機会が確保できない企業の増加が懸念されることから、その対策として導入するもの。施工実績がない場合でも受注機会が得られるよう、評価においては、施工実績の有無が評価に影響を及ぼす項目を極力除外する。
技術提案評価項目Aにおける「企業の施工能力」では、工事成績評定を評価項目から外す。工事品質を最低限確保するために施工実績は評価対象とし、過去15年間の国・市町村・民間工事も含めた元請けとしての同種・類似工事が対象となる。
「配置予定技術者の要件」では配置予定技術者の施工経験、工事成績評定、表彰実績、週休2日制の取組実績を評価項目から除外する。「地域精通度等」の評価項目は、通常の総合評価と同じとする。
第1弾となる「岩手県立一戸病院照明器具改修工事」が18日付で、県医療局から公告された。この工事は県立一戸病院の電灯設備改修一式(本館棟、付属棟、屋外の照明器具・誘導灯ほかの撤去・取り替え)などを行うもので、予定工期は241日間、予定価格は1億7820万円。
県営建設工事において、条件付一般競争入札の約6割が総合評価落札方式で、うち9割以上が簡易2型。工事量の減少に伴い受注者が実績を積む機会が減少し、総合評価落札方式において不利になることが懸念されることから、県ではチャレンジ型を試行的に導入した。
対象は、簡易2型のうち工事担当課などの長が必要と認める工事。予定価格や工種については限定しない。今年度は同工事のほか、知事部局で13件の発注を予定している。
提供:日刊岩手建設工業新聞