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建設経済新聞社
2025/04/21

【京都】京都駅前の将来像の方向性検討 有識者会議が初会合開催 令和8年3月に提言とりまとめ

 京都市が設置した「京都駅前の再生に係る有識者会議」の初会合が17日開かれた。今後2ヵ月に1回程度議論を重ね、市民意見募集を経て、令和8年3月頃までに市への提言書をとりまとめる。
 市は3月策定の新京都戦略において、リーディング・プロジェクトの一つとして「京都駅周辺を新たなビジネス・交流の創造拠点へ。オフィス・商業施設の供給促進、市有地の有効活用により都市機能を集積」を掲げ、その実現を目指している。
 有識者会議は、都市計画や景観、交通計画などの学識経験者6人で構成。座長は大庭哲治京都大学経営管理大学院教授が務める。
 初会合で大庭座長は「京都駅前の再生は注目を集めている。方向性を固めていきたい」と挨拶。京都市の籏哲也都市計画局長は「京都駅前はポテンシャルの極めて高いエリア。新京都戦略でもリーディングプロジェクトに掲げている」「京都商工会議所から市長に『京都駅前におけるまちづくり』に関する意見書もいただいている。経済界からの意見を聴く場も設けたい」などと述べた。
 検討対象範囲は、京都駅から東西それぞれ約450m、南北それぞれ約300m程度とし、東は河原町通、西は堀川通、北は七条通、南は八条通とする《=図参照》。用途地域は大半が商業地域(建ぺい率80%、容積率600%)。
 検討の前提として、エリア内の建物の更新時期などを想定し、概ね10〜20年後の将来像及びその実現に向けて短期・中長期に取り組むべき方策について検討する。
 検討する内容は、京都の特性を活かした京都駅前にふさわしい@商業・業務の更なる集積A沿道建物、駅前広場、道路等を活用したウォーカブルな賑わいB街並みの創出Cまちの魅力向上のための官民の役割分担と進め方の方向性。
 委員からは「京都タワー、京都駅ビルはランドマークになった。駅を出た時に何が見えるかが大事」「スクラップ&ビルドの建替えは難しくなる。ストック活用の考えも必要」「広場は必ずしも平面だけでなく、地下と連動するなど、立体的に考えてもいい」「オーバーツーリズム対策も必要」「実際に行うには課題があるが、まずは思い切った案を」「交通結節点としての機能をまずは考えるべき」「官民連携、エリアマネジメントが重要」「外観も大事だが、人がどう感じるのか、京都ならではのあり方を考えるべき」などの意見が出た。
 京都駅前を巡っては、駅北において、京都中央郵便局と京都駅ビル西第2駐車場を一体的に開発する「京都プロジェクト(仮称)」が進められている。
 一方、駅南においては市有地の有効活用に向けた取り組みが進む。
 主なものをみると、南区東九条の市有地について、(仮称)チームラボミュージアム京都新築工事が大成建設関西支店(大阪市中央区)の設計・施工で進められ、今秋のオープンを見込む。
 下京区西之町の崇仁市営住宅8棟跡地は、「(仮称)京都駅東部複合型拠点整備PJ」として、JR東海グループによる商業開発と大津市に本社を置く日本電気硝子の本社機能移転が計画されている。
 南区東九条の京都駅東南部エリアにおける市有地は、現代芸術家の村上隆氏が代表を務める企業が、村上氏のアート作品の制作を行うスタジオ「カイカイキキ京都スタジオ」を建設する計画。