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建設経済新聞社
2025/04/23

【京都】八幡市 令和16年度までの下水道経営戦略を策定 管路施設の改築・耐震化 W−PPP検討など盛る

 八幡市上下水道部はこのほど、下水道事業経営戦略を策定した。下水道事業のより一層の経営基盤の強化のため、中長期的な経営計画として策定するもの。
 前回(令和3年3月)の経営戦略の策定から4年が経過し、経営環境も徐々に変化していく中で、安定した公共サービスを持続的に提供し、下水道を将来にわたり維持していくため、経営戦略を改定した。
 計画期間は令和7年度から16年度の10年間。
 下水道施設(汚水)の状況は、主だった集落を形成している地域の下水道整備を完了した後、引き続き、周辺地域の点在家屋や工場等への整備を進めている。令和5年度末の人口普及率は99・9%。
 下水道管渠の状況は、今後10年間で約2割が50年を超過するなど、施設の老朽化の進行が見込まれている。下水道施設のライフサイクルコスト縮減を図るため、八幡市下水道ストックマネジメント計画に基づき、改築更新工事を行っている。また、下水道施設の耐震化を図るため、八幡市下水道総合地震対策計画に基づき、優先度の高い路線から順番に対策を実施しており、現在は八幡市地域防災計画における指定避難所からの排水を受ける管路施設等を対象として、工事を順次進めている。
 近年の主な建設事業は、管渠布設工事(下奈良地区(令和3・6年実施)、八幡長町地区等(令和4年実施))、管渠改築工事(八幡地区(令和4・5年実施)、美濃山地区等(令和5年実施))、管路施設耐震化工事(八幡地区・男山地区等(令和5年実施))。
 下水道施設(雨水)の状況は、近年は経年化の進んだ管渠の長寿命化工事を実施。多発する局地的豪雨等による浸水被害の軽減対策を行うため、平成26年度に八幡市公共下水道事業雨水排水計画を策定し、雨水地下貯留施設の整備や排水路改修等を実施している。
 今後の課題と重点取組として、持続可能な下水道事業のための施設の改築・耐震化を行う。今後10年間において、管渠の約2割の経過年数が法定耐用年数である50年を超過するなど、老朽化の進行が見込まれる。管渠の更新需要の増加に対応するため、八幡市下水道ストックマネジメント計画に基づき、管種に応じて目標耐用年数を定め、計画的に点検調査を行うことにより、更新費の節減を図りながら、問題のある管路施設を早期に発見し、効率的な改築を実施する。
 また、地震により下水道施設が被災すると、トイレの使用が制限されるなど、公衆衛生や社会活動に大きな影響を及ぼすこととなるため、施設の耐震化が求められている。八幡市下水道総合地震対策計画に基づき、マンホールと管渠の接続部に柔軟性を持たせる工事等を実施する。
 下水道施設の整備・改築・耐震化等を実施し、適切な維持管理を行うためには、人材の確保が必要。事業量に応じて必要な職員を確保するとともに、研修会への参加等により、職員の資質の向上に努める。維持管理や人材育成の共同化等に関して、京都府・他市町等との連携を進めるほか、サービスの安定供給のために有効な手法について、ウォーターPPPを含めた官民連携等を検討する方針。
 効率化・経営健全化等の取組として、水洗化促進、地方公営企業法の適用、窓口・検針徴収・開閉栓業務の民間委託等を実施する。
 投資・財政計画については、浸水対策事業として、概ね10年に1回規模の降雨に対し浸水被害を軽減するための対策として、雨水地下貯留施設整備や排水路改修を進めている。令和6年度時点で計画している吉野遊園雨水地下貯留施設等の建設費用等を計上した。
 重点取組関連では、改築・長寿命化事業として、令和6年度策定の八幡市下水道ストックマネジメント計画に基づき、点検・調査及び調査結果に基づく下水道管路施設の修繕・改築に係る設計・工事費用を計上。また、地震対策事業として、6年度策定の八幡市下水道総合地震対策計画に基づき、下水道管路の耐震診断や設計、耐震化工事に係る費用を計上した。
 収支計画表の資本的収支のうち建設改良費をみると、令和7年度に4億1833万7000円を計上。8年度は5億2470万5000円、9年度は2億1322万8000円を見込んでいる。