京都市は23日、企業立地の状況(令和6年度)を公表。令和6年度は51の企業が京都市内に立地し、年間50件の立地目標を2年連続前倒しで達成した。
市は、京都経済の活性化や雇用創出に向け、令和4年度以降、市内企業の事業拡大支援に加え、スタートアップをはじめとした中小規模の市外企業の誘致に取り組むとともに、令和5年4月には都市計画の見直しと連動して、企業立地支援策を集中的に投入する「京都駅南オフィス・ラボ誘導プロジェクト『京都サウスベクトル』」を始動し、企業立地を強力に促進している。
令和6年度に市の支援等を受けて立地した企業は、1年間で51件。「市内企業の事業拡大」では24件、「市外企業の京都初進出」では27件が立地。これにより雇用創出は約1080人、企業の投資額は約176億円の事業効果があると試算している。
企業立地促進制度補助金の指定件数(令和6年4月〜令和7年3月)をみると、「市内企業の事業拡大」24件の内訳は、本社・工場等の新増設等が18件、インキュベーション施設への新規入居が6件。なお24件のうち京都サウスベクトルエリア内は2件。
「市外企業の京都初進出」27件の内訳は、本社・工場等の新設等が4件、オフィスの新設が23件。
このほか、お試し立地支援制度は28件となっている。
本社・工場等新増設等支援制度の対象について、令和8年以降に操業予定としている企業の概要(▽企業名(本社所在地)=@事業地A事業内容B用途C操業開始(予定)D概要)をみると、▽アクトファイブ梶i京都市伏見区横大路一本木40)=@京都市伏見区横大路菅本5A工業用洗浄機、洗浄機関連商品の製造・販売B本社・工場C令和8年3月DEV車用電池缶洗浄機の需要増加に伴う増産のため、本社・工場を新設。新事業所では作業スペースや研究・実験施設をはじめとして事業所の規模を大幅に拡張し、増員も同時に行うことで生産能力を増強させ、更なる事業拡大を図る、▽京西テクノス梶i東京都多摩市愛宕4−25−2)=@京都市南区東九条西河辺町49−2Aリモート監視システムの開発及び運用等B本社機能を有する事業所C令和8年12月D西日本地域でのマーケティング体制を充実させるため、同地域を統括する京都第2本社を新設。これにより、西日本地域の顧客の利便性向上に寄与するリードタイム短縮や物流コスト削減を図るほか、DX化によるコスト削減、生産性向上等につなげて事業拡大を図る、▽鰹シ風(京都市東山区福稲上高松町11)=@前同A歯科材料及び歯科用機器の製造・販売B工場C令和8年5月D売上拡大の基幹製品となる化工品の生産能力を増強させるため、工場を新設。新工場では生産スペースの拡大はもとより、同時に自動化・DX化などを進めることで生産力を現行の3倍以上に向上させ、拡大する化工品の需要に応えることで更なる事業拡大を図る、▽潟zリゾン(京都市南区久世東土川町242)=@前同A製本関連機器の製造B用途C令和8年3月D現本社の老朽化や事業拡大に伴うスペースの不足のため、社屋を新設する。また、別途設けている研究開発拠点を新本社屋に集約することにより、業務効率化を図る。新社屋移転を契機に、国内外の顧客を招き、製品デモを実施するとともに自社製品をアピールし、販促につなげていく−等。
京都型グローバル・ニッチ・トップ企業育成補助金の対象について、令和8年以降に操業予定としている企業の概要は、▽京滋ヤクルト販売梶i京都市南区久世築山町250)=@前同A飲料等の小売業・卸売業B本社C令和8年5月DDX化や社員・部門間の連携を強化させるため、本社社屋を新設。新社屋では事務所をワンフロアとして業務効率化を図るほか、用途によるスペースの明確化により職場環境向上を実現し、新卒採用を中心とした人材確保を行うことで更なる事業拡大を図る−等。
今後立地が見込まれる主なものをみると、京都駅南オフィス・ラボ誘導プロジェクト『京都サウスベクトル』エリア内の企業進出として、日本電気硝子鰍フ本社機能(大津市)及び営業所(大阪市)が移転統合され、約500名規模のオフィスが整備される予定。
京都駅南の崇仁市営住宅8棟跡地に計画の「(仮称)京都駅東部複合型拠点整備PJ」によると、JR東海グループによる商業開発と日本電気硝子の本社機能移転を行う。
産業用地の創出では、向島国道1号周辺エリア内の企業進出として、野村不動産梶A関電不動産開発椛シによる特定目的会社が複数のテナントが入居する物流施設を整備する予定。