国土交通省は、民間の設備投資と一体化したインフラ整備をサポートする「官民連携による地域活性化のための基盤整備推進支援事業(官民連携基盤整備推進調査費」の2025年度1回目の配分事業に13事業を決めた。近畿地方整備局管内では、滋賀県の「地方港湾大津港における活性化のための基盤整備検討調査」と神戸市の「王子公園における賑わい創出のための基盤整備検討調査」の2件に調査費用を配分。ぞれぞれPPP/PFI導入に向けた可能性を検討する。
官民が連携してインフラを整備する際、事業化を検討するための調査費の2分の1を国費で補助する。
補助の対象は、民間の設備投資に合わせてインフラを整備する都道府県・市町村(一部事務組合や広域連合を含む)。事業化の検討段階で実施する概略設計(パース作成、概算事業費算出など)や基礎データ収集(概略設計に必要な地形、地質、交通量などの調査、需要予測)、整備効果検討(インフラ整備による効果、便益、経済効果の検討など)の他、PPP/PFIの導入可能性調査なども補助対象とする。
近畿地整管内の採択事業の概要は次の通り。
【地方港湾大津港における活性化のための基盤整備検討調査】
大津港は大津市中心部に位置し、琵琶湖内を周遊する遊覧船の発着拠点かつターミナルや緑地を含めたレジャー施設を有する観光拠点。琵琶湖文化館の建設をはじめ、港周辺の開発が進む一方で、大津港の各港湾施設の機能不足や老朽化が進むなど、整備が追い付いていないことが課題となっている。課題解決に向け、港湾施設整備に係る基礎調査、概略設計、港湾緑地再整備へのPPP/PFI導入可能性検討を行う。事業費は2760万円で、うち国費は1380万円。
【王子公園における賑わい創出のための基盤整備検討調査】
王子公園内には、公園の他、動物園、スタジアムやテニスコートなどのスポーツ施設があり、市のレクリエーションやスポーツ活動の拠点として大きな役割を担っている。その一方で、憩い、くつろげる空間が少なく、利便性が高い文教エリアのポテンシャルを十分に生かせていないことから、王子公園再整備事業が進められている。この他、周辺文化施設・教育施設と誘致する大学との連携による、学術・文化拠点としての機能強化や王子公園駅改良と一体となった公園との結節強化が期待されている。このため、関西学院大学の新キャンパスの設置や阪急電鉄による駅舎改良に合わせ、多目的管理施設とペデストリアンデッキの整備に係る概略設計と公園の維持管理・運営・にぎわい創出に向けたPPP/PFI導入可能性検討を行う。事業費は5700万円で、うち国費は2850万円。
※図は建通新聞電子版に掲載中
提供:建通新聞社